影響力*爆豪
チュンチュン
鳥の鳴く声が窓から聞こえてきて、目が覚める。
「ふぁ〜…よく寝た…」
昨日は夜遅くまで勉強してたからなぁ…何だかまだ目が重たい。
バァンッ!
制服に着替えて準備をしていると、突然扉が勢い良く開いた。
「ひゃ!びっくりした…!」
扉の前に立っていたのは勝己くんで、その表情はムスッとしている。
「か、勝己くん…?お、おはよ…」
私の姿を確認してジロリと見つめると、ツカツカと部屋に入ってきて腕を引かれる。
「っわ、…」
そのまま勝己くんの胸の中に飛び込むように倒れ、力強く抱き締められる。
「勝己くん…苦しいよ」
「…うるせぇ」
勝己くんの声は少し掠れていて、胸の中から顔を上げる。
「勝己くん、何かあったの?」
「何もねぇよ」
「でも、こんな朝に…」
「テメェがあんな事言うからだろ」
「へ?」
訳が分からず勝己くんを見上げても、何も言ってくれない。
何故かしばらく離してくれなかった勝己くんを不思議に思いながら2人で学校へ向かった。
けど勝己くんの様子がおかしかったのはこの時だけじゃなかった。