ヒーローの性*轟焦凍
…おかしい、いつもならアイツからすぐに返信が来るのに。
「お疲れ様でした。エンデヴァー」
「あぁ。後は頼んだぞ」
ヴィランを警察に引渡し、携帯を確認する。
もう家に帰ったのか…?
それともまだ仕事が終わってー…いや、もう9時だ。流石に終わっているはず。
もしかして何か…
「エンデヴァー!大変です!」
胸騒ぎがして先に上がろうとした時、警察の1人が無線を受け取る。
「A町南通のすぐ側でヴィランが出ました!火災も発生、重傷者多数です!」
その言葉に目を見開く。
A町南通…俺達の家の方向だ。
「すぐに行く!ショート、お前はー」
まさか、思い過ごしであってくれ。
俺の勘違いだと言い聞かせながら勝手に体が動いた。
「ショートォ!」
人が多く巻き込まれている事件なら、アイツの事務所が動いているかもしれない。
怪我人を援護しているのかもしれない、けどその間に巻き込まれていたら。
"重傷者多数"
その言葉が頭から離れない。
嫌な予感を感じながら急いで家の方まで向かった。