立海の日常*立海レギュラー
「おっと。大丈夫かい?」
後ろにそのままよろけた私を、誰かが支えてくれて助かった。
「あ…幸村くん、ありがとう…」
「雪で滑りやすくなっているから、気をつけなきゃね」
幸村くんはふふ、と笑い私の姿勢を正してくれた。
「ごめんね、足元見てなかった」
幸村くんが支えてくれなかったら後ろから盛大に転んでいただろうな。
「ほんと、君は危なっかしいね。元気よくて見てる分には楽しいけど」
「あはは…」
「それより赤也を見なかった?さっきから探しているんだけど」
幸村くんの射抜くような目線が私を貫く。
その表情は未だに慣れなくて少し彼から距離をとる。
「赤也?さっき真田くんに連れていかれたよ」
「弦一郎にかい?…そうか」
幸村くんは目を丸くして何かを考えたのか、ニコリと口元を上げた。
「雪も酷くなってきたし、相澤は中に入ってていいよ」
「え?でもまだ私やることが…」
「大丈夫。後は俺がやっておくから」
「そんな訳にはー」
いかないよ、と言おうと口を開くと幸村くんの指が私の着ていたジャージのチャックを下ろし始める。
「っ、幸村くん!?」
な、何をしているの!?
「もう制服に着替えていいよ。これはいらないね」
幸村くんはそのまま笑顔で私から仁王のジャージを剥ぎとる。