立海の日常*立海レギュラー
「ったくしょーがねぇな」
ブンちゃんは文句を言いながら桑原くんに分けてあげる。
しょーがねぇって…私が作ったんですけど。
「美味いな。相澤、流石だな」
桑原くんにも褒められ、満更でもなく鼻が伸びる。
「え〜?えへへ…」
「つーかお前そのジャージなんだよ」
「へ?ジャージ?…あぁ、これのことか」
ブンちゃんは眉をしかめて私を睨むように見上げた。
「何でお前が仁王のジャージ着てんだよぃ」
「だからぁ、借りたんだってば」
「はぁ?だからってなんだよ」
「…あ、ごめん。さっき柳生くんにも聞かれて…つい」
あはは、と笑い飛ばすとブンちゃんと桑原くんが目を合わせる。
「…ふーん。そういう事か」
「お前も苦労するな、相澤」
2人は何か納得したかのように大人しくなり、私はその空気を疑問に思いながら部室の掃除を続けた。
ガチャッ
「丸井、ジャッカル。ここにいたか」
掃除が終わる頃に部室に入ってきたのは柳くん。
「あ、柳くん」
「丸井。コートで精市が呼んでいたぞ」
柳くんは私を見てお疲れ、とだけ声をかけてブンちゃんに目を向ける。