立海の日常*立海レギュラー
「え?あぁ、うん…さっき貸してもらったの」
「…そうですか。仁王くんが」
「うん。本当に寒くてガタガタしてたら仕方なく貸してくれた、あはは」
…何か、柳生くんの様子がおかしい。
柳生くんは何も言わず、部室から何かを持ってきて私の手に握らせる。
私の手には、未使用のカイロが沢山。
「…ん?」
「これ、宜しければ使ってください」
「あ、ありがとう…いいの?こんなに」
「ええ、私は使いませんから。全部使って構いませんので仁王くんの服は必要なさそうなら脱いでしまってくださいね」
柳生くんは爽やかにそう言うとコートへ戻っていく。
…なんか笑ってたけど、少し怒っていた?
いや、まさかね…柳生くんほどのジェントルマンが怒るわけないか。
柳生くんから貰ったカイロの袋をひとつ開けて、ポケットの中に放り込む。
「あ、部室の掃除しとかないと…」
部員の飲み物を補充してから、部室へ行きロッカーから掃除道具を出す。
外と違ってやっぱり中は暖かいな。
「あ…まーた雑誌こんな所に置いたまま。赤也だなこれ」
少年漫画が椅子の上に乱雑に置かれているのを手に取り、赤也のロッカーへ入れる。
「あ、これも…まったく、これも真田くんに注意してもらおうかなぁ」
ガチャッ
せっせとそのまま部室の掃除をしていたら、入口が開いてブンちゃんと桑原くんが入ってくる。