立海の日常*立海レギュラー
「うわ、隠れてたの?ずるいなぁ」
「赤也が不器用なだけじゃ。サボるなら上手くやらんと」
全く…仁王は部活中でもすぐに居なくなるんだから。
その癖、真田くんや幸村くんがいる時にはキチンと姿を見せるし本当に上手くやっている。
「は…くしゅんっ」
「寒いのか?」
「そりゃ…今日雪降ってたしね。皆と違って動き回るわけじゃないから…は、くしゅっ」
「そんな薄着でおるからじゃ。風邪ひくぜよ」
「薄着、って…みんなと同じジャージだよ。下にヒートテックも着てるんだけどなぁ」
仁王は着ていたジャージを脱いで私の肩にかける。
今の今まで着ていた温もりが私を包み、洗剤の良い匂いがした。
「仁王、悪いよ」
「いいから着ときんしゃい」
「でも、寒いでしょ?半袖じゃ…」
ジャージを脱いだ下は半袖で、仁王の腕がもろに外に出ている。
「構わんよ。それ、今日の部活が終わるまで着とくよーに」
仁王は何かを企むようにニヤリと笑い、コートへ戻っていく。