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お化け屋敷*立海(前編)


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「つ…疲れた……」



朝から絶叫系を乗り尽くし、もう夕方に差し掛かっている。



体力のある皆に比べて、私だけが身体の限界を迎えている。



「平気?ほら」



ベンチで休んでいると、幸村が冷えたお茶を買ってきてくれた。



「あ、ありがとう幸村」



「お前さん、まさかもう終わる気でいるんじゃなかろうな?」



これで一通り乗ったし、後は帰るだけだなと思っていた私の頭上から仁王が声をかけてくる。



「え?」



「まだ行ってないとこがあるじゃろ」



「行ってないとこ…?あ、」



ニヤッと口元を上げた仁王に察しがついて首を振る。



「行かない、行かないからねお化け屋敷は」



特にここのお化け屋敷は大きいし広いし、本格的で怖いと有名だし。



私からしたらお化け屋敷に行きたがる人の精神が理解できないほど苦手だ。



「なんだお前、お化けとかこぇーの?」



「怖いとか怖くないとかじゃないよブンちゃん、ああいう場所は行ったらダメなの」



「はぁ?」



「例え人間がやってるって分かっててもその場では冷静でいられないんだよ。昔パパと行った時も、しがみついて離れなかったらしいし」



昔のことだからあんまり覚えてないんだけどね、と付け加えて皆を見上げると、明らかに皆の表情が変わった気がした。



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