お化け屋敷*立海(前編)
そして、休みの日。雨も降らずピカピカと晴れた真夏日だ。
ジリジリと地面を焦がすように照りつける太陽が忌々しい…ちょっとくらい曇ってくれて良かったのに。
「先輩ーー!」
こんな暑いのに、赤也は人一倍元気だ。
集合場所に向かうと、私以外のメンバーは皆揃っていて心做しか周りから注目されている気がした。
「ねーあの人たちカッコイイね。何かやってる人達かな」
「ほんとだ。背ぇ高いねー」
そりゃ、世間一般的に見てイケメン、と言われる皆様が勢揃いですもんね…学校でも人気あるんだもん、見られもしますよね。
その中にぽつんと女が私だけって…気まずすぎる。この視線に今日は耐えなきゃいけないのか…
私はただのマネージャーです、と書かれた札を首から下げて歩きたい。
「おせーよ楓。お前が最後だぞ」
「ごめんごめん。みんな早かったんだね」
ブンちゃんがガムを噛みながらまぁな、と立ち上がる。
「それにしても天気いいね。幸村、今日は暑くなりそうだけど平気?」
「あぁ、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
こんな暑いのに、幸村は汗ひとつかかずに涼やかな顔をしている。
それにしても皆の私服なんて久しぶりに見たけど、全員お洒落だなぁ。
「先輩!まずはジェットコースターっしょ!早く!」
「え、いきなり!?ちょっと赤也ー」
グイグイと赤也に手を引かれ、有無を言わさず赤也に乗りたいものに付き合わされる羽目になった。