俺様*跡部
え、私…今跡部とキスしてる…?
信じられない状況に動けなくなる。
硬直しきっている私に気づき、ゆっくりと跡部の体が離れた。
「…跡部」
「何だ」
「私、その…経験あまりないから、こういう事がしたいなら他を当たってちょうだい…」
絞り出した声。
跡部は目を大きく開き、すぐに険しい表情になる。
「勘違いしてんじゃねぇ。俺は女なら誰でも良いわけじゃねぇぞ」
「どういう事…」
「鈍感なお前にはハッキリ言わねぇと伝わらないみたいだな」
跡部は私の腰に手を回して体を起こす。
座ったまま目線がかち合い、至近距離で跡部が口を開いた。
「お前が好きだ。俺の女になれ」
「……は…?」
跡部から出た言葉に耳を疑う。
今、なんて…?私のこと好きって言った…?
「…嘘言わないで」
「俺様がこんな嘘をつくと思ってるのか」
「思ってない…けど、信じられない。何で私なの…?第1、今日会ったのも久し振りだし偶然で…」
「それは偶然じゃねぇ」
思いを吐き出しているとすぐに跡部に阻止されて顔を上げる。
「え?」
「俺は卒業してからずっとお前の事を気にかけていた。何をしているのか随時報告させていたしな」
「…え」
「今日お前に会ったのも計画していた事だ。ま、お前の姿を見たのが久々だったのは変わりないがな」
跡部から次々と信じられない言葉が出てきて頭の整理が追いつかない。
…ずっと、私を気にかけていた…?毎日多忙な跡部が、そこまでして?
「まだ信じられねぇって顔してるな」
「…そりゃ」
「これ以上何を言っても信じられねぇなら体に教え込むぞ」
再び跡部に押し倒され、首筋にチュッとキスをされる。