友達以上恋人未満*赤也
「が、頑張るっす!絶対、赤也取りません」
「じゃあ、私も楽しみにしてようかな?」
先輩は俺を見てニッコリと笑ってくれた。
まさかOKもらえると思ってなかったから、ぶわっと気分が上がる。
今なら誰にでもテニスで勝てそうだ。
それくらい、気分が高揚していた。
「お、俺頑張るっす。だからー」
ガララッ!
約束っすよ、って言おうとした瞬間。
教室のドアが勢いよく開き、眉を釣りあげた真田先輩が入ってきた。
「赤也!いつまでダラダラとしている!」
「さっ、真田副部長!」
「相澤。進み具合はどうだ」
「あ…い、今終わったところ」
相澤先輩は気を利かして、ノートと教科書を閉じて席を立つ。
「ふむ、そうか。ご苦労だったな。ならば行くぞ赤也!」
「ちょ、引っ張らないでくださいよ!」
「たるんどる!走れ!」
真田副部長に引きずられるように出ていく俺に、相澤先輩は困ったように手を振っていた。
いつもなら、最悪だ。
けど今は…楽しみがある。
今から俺は、相澤先輩にどうやって告白するのかを念入りに考えていた。
Fin