友達以上恋人未満*赤也
「ん?何?」
「俺が、今度のテストで…全教科赤点逃れたら」
「おお、大きく出たね」
先輩が少し目を見開く。
確かに、俺にとっても難題だ。
「俺と、デ、デートしてくれませんか」
「……」
シン、とした空気の中自分の心臓の音がバクバクと悲鳴をあげている。
ツゥーッと、緊張の汗が喉を伝う。
先輩は少し固まり、ゆっくりと口を開いた。
「…それは、本気?」
「ほ、本気っす!冗談でこんな事、言わないっすよ」
思わず椅子から立ち上がり上から先輩を見下ろす。
「そっか…」
「だ、ダメっすか…?」
「ううん。いいよ、デートしよ?」
俺を見上げた上目遣いの先輩が可愛すぎて、頭の中で今言われた言葉が木霊する。
「ま…まじ、すか?」
「うん。マジだよ。赤也が全教科頑張れるならね?」