スキンシップ*四天宝寺
少し人気のない公園に移動し、近くの椅子に腰を下ろす。
「たこ焼き冷めてもーたな」
残念そうな顔をする金ちゃん。
「ここのは冷めても美味いらしいで?ほら」
白石が袋から取り出した船皿を金ちゃんに渡す。
私にも渡してくれて、お礼を言って受け取る。
「…ほんまや!美味い!」
「そやろ?」
「良かったね、金ちゃん」
美味しそうに食べている金ちゃんを見ているとこちらまで嬉しくなる。
「ねーちゃんのやつはねぎ塩やな」
「うん。食べる?」
キラキラした目で見つめられると餌付けしたくなるのは母性本能だろうか。
「はい、あーん」
「あー…」
「ちょ、まちーや!あかんて!」
金ちゃんが口を開いてそこに手を伸ばすと慌てて白石のストップが入る。
「な、何?どうしたの白石」
「なんや白石ぃー、邪魔すんな!」
「せやから、そういうのはあかんて言うたやん!」
こっち食べ、と白石は自分のたこ焼きを金ちゃんに差し出す。
「白石、少し過敏じゃない?口移しでもあるまいし…」
「口移しなんてあかんに決まってるやん!」
「そ、そりゃそうだけど…」
「俺が言いたいんは、カップルっぽいことはやめってことや」
確かに白石の言う通り、あーんは傍から見たらカップルっぽいとは思うけど…
そんなに、気にすることかなぁ。
「何で白石がそんなに気にする必要があるの?」
もし傍から見てそうだとしても、金ちゃんと私が何も気にしていないのに。