スキンシップ*四天宝寺
だ、誰…?
見覚えもない年上の男の人がにこやかに私に話しかける。
「…何ですか?」
「お姉ちゃん、可愛ええなぁ。1人なん?」
何故か隣に座ってきた男の人に距離をとる。
「い、いえ…1人じゃないです」
「そうなん?ちゅーかお姉ちゃん大阪人やないの?標準語やん」
「は、はぁ…出身は違います」
「そーなんや!せやったら今からー」
「ねーちゃんに何しとるんやーー!」
男の人の腕がこちらに伸びてきた瞬間、遠くから聞こえた金ちゃんの声が響き渡る。
ドカッ!と激しい音を立てて金ちゃんに飛び蹴りを喰らった男の人は後ろに倒れ込んでしまった。
「き、金ちゃん…!何して…!」
「せやかてコイツ、ねーちゃんに触ろうとしとったやん」
「金ちゃん、やり過ぎやで」
金ちゃんの後ろから、たこ焼きを持って爪楊枝を咥えた白石が顔を出す。
「いっつ……何すんねん!」
起き上がった男の人に、白石が立ちはだかる。
「えろうすんません。けどこの子、俺らの連れなんですわ」
グイッと手を引かれ白石と金ちゃんの後ろに隠れるようにしてくれた。
「俺が用あんのはそっちのガキや!てめぇー」
男の人は怒りを露わにして金ちゃんに殴りかかろうとした。