スキンシップ*四天宝寺
「はぁっ、はぁ…っ金ちゃん、足速っ…」
着いていくのが精一杯すぎて、到着した時には私1人汗だくだ。
これでもマネージャー仕事で普段から動き回ってるのに…桁違いに体力あるな、やっぱり。
「相澤、大丈夫か?」
「だ、だい…じょうぶ」
「ねーちゃん、白石!こっちやー!」
金ちゃんがたこ焼きの列からブンブン手を振る。
「相澤はここで休んどき。俺行ってくるわ」
「う、うん…よろしく」
白石に金ちゃんを任せて、近くのベンチに腰掛ける。
はぁ、疲れた…こんなに全力疾走したの、久しぶりだ。
部活終わりだっていうのに、あの人達はなんであんなに元気なの…考えられない。
金ちゃんと白石が並んでいるのを遠目に、呼吸を整えて深く息を吐く。
「なぁ〜、あの人かっこええ」
隣のベンチに座っていた女の人の声に顔を向ける。
「ほんまや〜、あれ四天宝寺ちゃう?」
「何年生やろ?声かけてみる?」
同い年くらいの制服の女の子2人組が、明らかに白石を見て騒いでいる。
…白石はどこでもモテるなぁ。
確かに顔は整ってるし優しいけど、白石は変なところあるからなぁ…カブトムシの嫁探しに本気になってるし、変な口癖あるし。
それでもいいとファンが多いのは、其れをもカバーできるイケメンさがあるからだろうか…実に不公平である。
私もマネージャーというだけで、どれだけ目の敵にされてるか。
「なぁお姉ちゃん、ちょっとええか?」
女の子たちの声に耳を傾けていると、反対側から声をかけられて顔を上げた。