スキンシップ*四天宝寺
「なぁねーちゃん、それ一口くれーな」
真夏、ジリジリと太陽が近づいてくるような猛暑日。
昼休み中に棒アイスを食べていた私の横で物欲しそうな顔をする金ちゃん。
「ええ〜、金ちゃん自分で買ってきなよ」
「嫌やー、それがええんや!」
「こら金ちゃん。ゴンタくれたらいかん」
身振り手振りで駄々をこねる金ちゃんを、いつも通り白石が宥める。
しかし金ちゃんはこうなったら言うことを聞かないのは私でも分かっている。
「…も〜、しょーがないなぁ」
はい、と自分が舐めていたアイスを差し出す。
その様子を見ていた白石、千歳、忍足が慌てて飛びついてきそうな金ちゃんを遠ざけた。
「ちょ、まちーや!相澤、それはあかん!」
「え?何で?」
「自分が舐めとったやつをな…そんな、あかんで!金ちゃんもやめや!」
「離せや白石ー!」
「金ちゃん、ちょっと落ち着きなっせ」
「そや!いくら金ちゃんでも許されへん!」
何故か皆が顔を赤くして阻止してくる。
…皆もしかして、間接キス的なことを意味して言ってるのかな。
そんなの、気にしないのに。
「金ちゃんには俺が買ったるから、な?」
白石のその言葉で金ちゃんは大人しくなり、私は自分のアイスを平らげた。
白石はスキンシップというか、こういうことに関して人一倍厳しい気がする。