在るべき場所
夢主ちゃんのお名前は?
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『偉そうな格好で突っ立って、ただ見ているだけ。とんだ役立たずだ』
取り込まれた童話の世界。
そこでオレは街中に佇む像となっていた。宝飾品で飾られた、像にしては華美なそれ。
オレを見上げる人々は見事な像だとか賛美の言葉を並べるが、高い位置から見ることで自然と"視えて"しまう事実。
路地裏、貧しい家で母親が身を粉にして働くも薬は変えず病気のガキが弱っていく姿。
芝居の台本を書く才能はあれど今までそれらは日の目を浴びず貧しく、やっと仕事を得たものの、食糧も暖炉の薪も尽きその仕事を完遂直前にしてその命の火が消えんとしている若人。
……他にも挙げたらキリが無い。
あいつらを、救うことができたなら。
そう願うと、まるで本のページが捲れたかのようにまた別のものへ意識が乗り移った。
背中の翼はいつものそれと違い、黒と白の二色に。オレは、像の持てる財を貧しい人へと運ぶ運び屋の鳥となっていた。
『手品の種は気にするくせに、奇跡の裏を考えもしない……人間ってのはそんなものさ』
"鳥のオレ"が貧しい人々へ財を配っていくごとに、"像のオレ"は日に日に見窄らしい姿になっていった。
ある日突然ささやかながら大きな財を得た人々は喜び、神サマへの感謝の言葉を口にする。
その奇跡の裏に何があったのかを知らずに。
"像のオレ"が持てる財を全て使い果たした頃、雪がちらつき始めた。
そして、寒さの中、誰にも知られないままひたすらに財を配って飛び続けた"鳥のオレ"が息を引き取った。
小さな、しかし多くの奇跡を齎したことに満足そうな様子で。
見窄らしい姿になった"像のオレ"を見て人々は好き勝手に貶める。前は散々賛辞の言葉を述べていたのと同じ口で。
人間というのは愚かだ。だが、これが現実だ。
わかっている。
"像のオレ"と"鳥のオレ"が、なす術もなく人々の手によってその生を終えていく。
『嗚呼、もっと、もっと多く、大きな奇跡を起こせたなら』
そう願ったオレに、身に覚えのあるような感覚が襲ってくる。
ピキ、ピキピキ……ピシリ
何がひび割れるような音、そこから何かが侵食して意識を奪ってくるような感覚。
そしてまたオレは意識を失った。
取り込まれた童話の世界。
そこでオレは街中に佇む像となっていた。宝飾品で飾られた、像にしては華美なそれ。
オレを見上げる人々は見事な像だとか賛美の言葉を並べるが、高い位置から見ることで自然と"視えて"しまう事実。
路地裏、貧しい家で母親が身を粉にして働くも薬は変えず病気のガキが弱っていく姿。
芝居の台本を書く才能はあれど今までそれらは日の目を浴びず貧しく、やっと仕事を得たものの、食糧も暖炉の薪も尽きその仕事を完遂直前にしてその命の火が消えんとしている若人。
……他にも挙げたらキリが無い。
あいつらを、救うことができたなら。
そう願うと、まるで本のページが捲れたかのようにまた別のものへ意識が乗り移った。
背中の翼はいつものそれと違い、黒と白の二色に。オレは、像の持てる財を貧しい人へと運ぶ運び屋の鳥となっていた。
『手品の種は気にするくせに、奇跡の裏を考えもしない……人間ってのはそんなものさ』
"鳥のオレ"が貧しい人々へ財を配っていくごとに、"像のオレ"は日に日に見窄らしい姿になっていった。
ある日突然ささやかながら大きな財を得た人々は喜び、神サマへの感謝の言葉を口にする。
その奇跡の裏に何があったのかを知らずに。
"像のオレ"が持てる財を全て使い果たした頃、雪がちらつき始めた。
そして、寒さの中、誰にも知られないままひたすらに財を配って飛び続けた"鳥のオレ"が息を引き取った。
小さな、しかし多くの奇跡を齎したことに満足そうな様子で。
見窄らしい姿になった"像のオレ"を見て人々は好き勝手に貶める。前は散々賛辞の言葉を述べていたのと同じ口で。
人間というのは愚かだ。だが、これが現実だ。
わかっている。
"像のオレ"と"鳥のオレ"が、なす術もなく人々の手によってその生を終えていく。
『嗚呼、もっと、もっと多く、大きな奇跡を起こせたなら』
そう願ったオレに、身に覚えのあるような感覚が襲ってくる。
ピキ、ピキピキ……ピシリ
何がひび割れるような音、そこから何かが侵食して意識を奪ってくるような感覚。
そしてまたオレは意識を失った。