~Maple tree~ VI-2
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事務所に到着すると、事務所には8つデスクがあった。
スーツを着込んだ男性が解答用紙にマルを振っていたり、コピー機の前で印刷を待つ長い黒髪の女性がいた。
「所長! ネイティブ・アメリカン連れてきましたよ!」
ワタルがそう言うと、解答用紙にマルを振っていた男性は言う。
「今立て込んでいるから、実相寺さん面接してくれる?」
随分いい加減な所長だなと思うが、俺は次の瞬間に固まってしまった。
「もう、所長…。私の事、都合のいい人と思っていますよね! もうっ」
と言ったコピー機の前にいた女性が振り返って俺を見た。
「… 楓…」
そこには、あの寒空の下で俺の腕の中で消えていったはずの楓が問題用紙をコピーした紙の束を持って振り返ったのだ。
「こんにちは、実相寺 楓です。ワタルさん、こちらの方が私達の塾の英語担当の方ですか?」
以前、マナに言語中枢をいじられた為か日本語で話す楓の言葉が分かる。
俺とは英語で話していた楓の日本語。
母親と電話口で日本語で話していた彼女を思い出した。
「そうそう、あのイケすかねー奴がトンズラしたからさ…」
「では、私が面接をしますから…えっと、履歴書は?」
「履歴書なんて、いらないからサッサと面接…」
所長が解答用紙にバツをうちながら、正しい解答を書いていると楓がムッとした顔をした。
見た事がある顔だ。俺が楓を心配して、色々文句を言った時に見せた顔だ。
「所長! 前の方は、履歴書なしで面接したらその人、不法入国者で、しかも密売していたじゃないですか!? そのあと、大使館や関係各所に私が謝りに行ったんですよ! 大変だったんですよ!」
「だ、だって…、あの時は、ピロリ菌に感染しちゃって…」
「不摂生な生活しているからです!」
楓の剣幕にワタルは楓を宥めていた。俺はその様子から財布から身分証を取り出した。
合衆国諜報員の証明証。
俺の身分証に気が付いた楓は俺の隣に立ちそれを覗き込む。
花の香り。そして、彼女の髪にある髪留めに俺は驚いた。
俺がプレゼントした蝶のモチーフの髪留め。
あの時、彼女は確かに「壊れてしまった」と言っていた。
「…すごいカッコイイ身分証ですね! 信頼出来そうですし、面接しますね!」
彼女は自分のデスクの引き出しから数枚紙を取り出し、筆記用具を持つとバインダーを持ってきた。
「じゃあ、ワタルさんはこちらでお待ちくださいね! 私はこの方の面接しますから」
彼女のスーツ姿は初めて見た。
黒いスーツにピンクのシャツ。豊満な胸に掛かるように長い髪をシュシュという髪を纏めるアイテムでまとめていた。
楓も使っていたアイテム。
楓がこんなに近くにいるのに…。
抱きしめたかった。彼女にキスをして、また、俺と出会ったあの世界に連れていきたい。
そして、あの赤い屋根の白い家にまた住みたい。
今度は…今度は絶対に…。
考え事をしながら、歩いていた為か彼女が停止した事に気が付かなかった。
エレベーターの前、楓の背中に思いっきりぶつかった。
すると、楓が持っていた物が全部床に落ち、彼女は前に倒れそうになった。
「あわわっ!」
俺は咄嗟に彼女を後ろから抱き寄せ、腕の中で彼女をくるっと回して、対面になるように抱きしめた。
あの温もり、彼女がアパート前で暴漢に襲われた時に初めて抱きしめた時に感じた感覚。
俺は何度も君に恋して、何度も愛し合って、何度も…。
「あ、あわわわっ」
「楓…俺は…」
エレベーター前で彼女を抱きしめているとタイミング良くエレベーターが開いた。
中には子供達が学習鞄を持って、ひたすらに何か話していた。
しかし、俺と楓が抱き合っているのをばっちり目撃された。
「あー! 楓先生がイケメンとイチャついている! めちゃくちゃスクープ!!」
「先生が不道徳でけしからん事してやがるー!?」
「文春砲! 発射!」
「先生…」
子供達に、揶揄われた。楓が慌てて体を離して、床に散らばった紙やバインダーを拾う。
俺も彼女を手伝おうとすると、背後にな何か気配を感じた。
しかし、遅かった。
「カンチョー!」
やられた。振り返ると頭を丸刈りにした悪戯少年が笑いを堪えて走り去っていく。
「こ、こらー! 何しているんですか!? 謝りなさい! 痔だったらどうするんですか?!」
楓が悪戯少年を叱り、俺の痔を心配してきたが、俺は痔ではない。
すると、悪戯少年は走り去りながら「痔には〜、ボラギノ〜ル!」と軽快に歌いながら消えていった。
「お尻にピュッと出すタイプかな? 塗り込むタイプかな?」とも聞こえた。
スーツを着込んだ男性が解答用紙にマルを振っていたり、コピー機の前で印刷を待つ長い黒髪の女性がいた。
「所長! ネイティブ・アメリカン連れてきましたよ!」
ワタルがそう言うと、解答用紙にマルを振っていた男性は言う。
「今立て込んでいるから、実相寺さん面接してくれる?」
随分いい加減な所長だなと思うが、俺は次の瞬間に固まってしまった。
「もう、所長…。私の事、都合のいい人と思っていますよね! もうっ」
と言ったコピー機の前にいた女性が振り返って俺を見た。
「… 楓…」
そこには、あの寒空の下で俺の腕の中で消えていったはずの楓が問題用紙をコピーした紙の束を持って振り返ったのだ。
「こんにちは、実相寺 楓です。ワタルさん、こちらの方が私達の塾の英語担当の方ですか?」
以前、マナに言語中枢をいじられた為か日本語で話す楓の言葉が分かる。
俺とは英語で話していた楓の日本語。
母親と電話口で日本語で話していた彼女を思い出した。
「そうそう、あのイケすかねー奴がトンズラしたからさ…」
「では、私が面接をしますから…えっと、履歴書は?」
「履歴書なんて、いらないからサッサと面接…」
所長が解答用紙にバツをうちながら、正しい解答を書いていると楓がムッとした顔をした。
見た事がある顔だ。俺が楓を心配して、色々文句を言った時に見せた顔だ。
「所長! 前の方は、履歴書なしで面接したらその人、不法入国者で、しかも密売していたじゃないですか!? そのあと、大使館や関係各所に私が謝りに行ったんですよ! 大変だったんですよ!」
「だ、だって…、あの時は、ピロリ菌に感染しちゃって…」
「不摂生な生活しているからです!」
楓の剣幕にワタルは楓を宥めていた。俺はその様子から財布から身分証を取り出した。
合衆国諜報員の証明証。
俺の身分証に気が付いた楓は俺の隣に立ちそれを覗き込む。
花の香り。そして、彼女の髪にある髪留めに俺は驚いた。
俺がプレゼントした蝶のモチーフの髪留め。
あの時、彼女は確かに「壊れてしまった」と言っていた。
「…すごいカッコイイ身分証ですね! 信頼出来そうですし、面接しますね!」
彼女は自分のデスクの引き出しから数枚紙を取り出し、筆記用具を持つとバインダーを持ってきた。
「じゃあ、ワタルさんはこちらでお待ちくださいね! 私はこの方の面接しますから」
彼女のスーツ姿は初めて見た。
黒いスーツにピンクのシャツ。豊満な胸に掛かるように長い髪をシュシュという髪を纏めるアイテムでまとめていた。
楓も使っていたアイテム。
楓がこんなに近くにいるのに…。
抱きしめたかった。彼女にキスをして、また、俺と出会ったあの世界に連れていきたい。
そして、あの赤い屋根の白い家にまた住みたい。
今度は…今度は絶対に…。
考え事をしながら、歩いていた為か彼女が停止した事に気が付かなかった。
エレベーターの前、楓の背中に思いっきりぶつかった。
すると、楓が持っていた物が全部床に落ち、彼女は前に倒れそうになった。
「あわわっ!」
俺は咄嗟に彼女を後ろから抱き寄せ、腕の中で彼女をくるっと回して、対面になるように抱きしめた。
あの温もり、彼女がアパート前で暴漢に襲われた時に初めて抱きしめた時に感じた感覚。
俺は何度も君に恋して、何度も愛し合って、何度も…。
「あ、あわわわっ」
「楓…俺は…」
エレベーター前で彼女を抱きしめているとタイミング良くエレベーターが開いた。
中には子供達が学習鞄を持って、ひたすらに何か話していた。
しかし、俺と楓が抱き合っているのをばっちり目撃された。
「あー! 楓先生がイケメンとイチャついている! めちゃくちゃスクープ!!」
「先生が不道徳でけしからん事してやがるー!?」
「文春砲! 発射!」
「先生…」
子供達に、揶揄われた。楓が慌てて体を離して、床に散らばった紙やバインダーを拾う。
俺も彼女を手伝おうとすると、背後にな何か気配を感じた。
しかし、遅かった。
「カンチョー!」
やられた。振り返ると頭を丸刈りにした悪戯少年が笑いを堪えて走り去っていく。
「こ、こらー! 何しているんですか!? 謝りなさい! 痔だったらどうするんですか?!」
楓が悪戯少年を叱り、俺の痔を心配してきたが、俺は痔ではない。
すると、悪戯少年は走り去りながら「痔には〜、ボラギノ〜ル!」と軽快に歌いながら消えていった。
「お尻にピュッと出すタイプかな? 塗り込むタイプかな?」とも聞こえた。