~Maple tree~ VI-7
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「マジで?! 行くわっ!」
所謂、ひっくり返る場面である。
「お、お前!? 此処でのキャリアを捨てるのか?!」
「…レオン? 何言ってんだ? キャリアなんて、飯の途中で口元についたおべんとに毛が生えたようなもんだ! いいか…、そんないつかはカピカピになるような、おべんとよりも毎日美味い飯を食う事の方が大事なんだよ。俺の名前を忘れたか? 七海航だぞ? 七つの海を航る旅人の名前だ! それに、もうお前と俺は友達だ!」
何を言っているか分からないが、腑に落ちた。
古い栄光に縋らず、新しい物を得る。
「…わかった…。お互い心残りがないようにしよう…」
俺がワタルに言うと「承知のすけ」と言った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから、ワタルは論文を書きまくり、俺は楓が育ったこの京都を散策し、調べた。
この京都にずっと存在し、実相寺家を苦しめ続けた忌々しい呪いのような側面を仕事の傍に調べた。
その合間に、街を歩いていると見つけた露店販売されている土産屋を見つけた。
そこには、女性用の髪留めが販売されておりその中にあった一つに目が止まる。
紅葉が連なったデザインの髪留め。それを購入した。
また、ワタルに図書館に連れて行かれ、この土地の歴史や風土を調べた。
仕事が休みの日は調べ物をし続けた。
元々、こういう事をしたくてラクーンにも志願したくらいだから苦ではなく、寧ろ楽しく感じた。
そして、日本に未だに残る男尊女卑の下らない考えや日本の歴史にもかなり詳しくなった。
きっとアメリカにいたら、知らなかった事がたくさんあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして、この土地に来て5ヶ月が経過した。
季節は夏になり、ワタル宛に楓達から写真付きの手紙と東京のお土産が贈られてきた。
写真には、楓の結婚相手の男性とアカネ、楓が綺麗な家をバックにしたものが写されていた。
複雑な気持ちになった。
夏の季節は楓と過ごした最期の季節。
彼女が補習授業に参加して、俺が迎えに行く約束をしたのに、coffinが現れて…。
しかし、ワタルが言っていた。
ライラプスの1回目の襲撃を回避出来たら大丈夫だと。
もし、あの時に戻れるならば…戻りたい。
楓が家に一時的に戻り、蜻蛉返りした日に。
あの日、病院に帰さずにHOFの私営病院に入院させて、俺はライラプスを停めて…、リン・カザマを逮捕したい。
逮捕する前にDODの強制捜査をさせたい。
FBIかHOFに頼みたい…。
俺はその時に戻れた時のプランを考える。
ワタルの部屋で一緒に夕食を食べた後、片付けをしながらワタルに決意表明をした。
「…ワタル…。俺、次の金曜日…」
「…帰るって話だろう?」
「…ああ」
「わかった! レオンが帰られるように手伝うよ! レオンは自分の世界で大事な彼女を幸せにしろ」
ワタルに背中を押されて、俺はもう逃げない。立ち向かうとそう決めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
豆電球が灯る室内。ワタルのイビキを聞きながら、俺は天井を見上げていた。
金曜日。確か、あの時も金曜日だった。
楓が俺を助けた影響で、倒れてしまいずっと体調が良くない期間があった。あの時期だ。
俺は目を瞑り、あの日を考えた。
俺が目を開ければ、そこはあの路地。
あの高齢の女性の家の前にいた。巨大な門の脇にある小さい門が開き、女性が出てきた。
「あら、もう帰られるの?」
「はい、俺は…彼女を諦めたくないから」
高齢の女性は俺に微笑む。
「貴方なら、出来るから…」
所謂、ひっくり返る場面である。
「お、お前!? 此処でのキャリアを捨てるのか?!」
「…レオン? 何言ってんだ? キャリアなんて、飯の途中で口元についたおべんとに毛が生えたようなもんだ! いいか…、そんないつかはカピカピになるような、おべんとよりも毎日美味い飯を食う事の方が大事なんだよ。俺の名前を忘れたか? 七海航だぞ? 七つの海を航る旅人の名前だ! それに、もうお前と俺は友達だ!」
何を言っているか分からないが、腑に落ちた。
古い栄光に縋らず、新しい物を得る。
「…わかった…。お互い心残りがないようにしよう…」
俺がワタルに言うと「承知のすけ」と言った。
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それから、ワタルは論文を書きまくり、俺は楓が育ったこの京都を散策し、調べた。
この京都にずっと存在し、実相寺家を苦しめ続けた忌々しい呪いのような側面を仕事の傍に調べた。
その合間に、街を歩いていると見つけた露店販売されている土産屋を見つけた。
そこには、女性用の髪留めが販売されておりその中にあった一つに目が止まる。
紅葉が連なったデザインの髪留め。それを購入した。
また、ワタルに図書館に連れて行かれ、この土地の歴史や風土を調べた。
仕事が休みの日は調べ物をし続けた。
元々、こういう事をしたくてラクーンにも志願したくらいだから苦ではなく、寧ろ楽しく感じた。
そして、日本に未だに残る男尊女卑の下らない考えや日本の歴史にもかなり詳しくなった。
きっとアメリカにいたら、知らなかった事がたくさんあった。
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そして、この土地に来て5ヶ月が経過した。
季節は夏になり、ワタル宛に楓達から写真付きの手紙と東京のお土産が贈られてきた。
写真には、楓の結婚相手の男性とアカネ、楓が綺麗な家をバックにしたものが写されていた。
複雑な気持ちになった。
夏の季節は楓と過ごした最期の季節。
彼女が補習授業に参加して、俺が迎えに行く約束をしたのに、coffinが現れて…。
しかし、ワタルが言っていた。
ライラプスの1回目の襲撃を回避出来たら大丈夫だと。
もし、あの時に戻れるならば…戻りたい。
楓が家に一時的に戻り、蜻蛉返りした日に。
あの日、病院に帰さずにHOFの私営病院に入院させて、俺はライラプスを停めて…、リン・カザマを逮捕したい。
逮捕する前にDODの強制捜査をさせたい。
FBIかHOFに頼みたい…。
俺はその時に戻れた時のプランを考える。
ワタルの部屋で一緒に夕食を食べた後、片付けをしながらワタルに決意表明をした。
「…ワタル…。俺、次の金曜日…」
「…帰るって話だろう?」
「…ああ」
「わかった! レオンが帰られるように手伝うよ! レオンは自分の世界で大事な彼女を幸せにしろ」
ワタルに背中を押されて、俺はもう逃げない。立ち向かうとそう決めた。
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豆電球が灯る室内。ワタルのイビキを聞きながら、俺は天井を見上げていた。
金曜日。確か、あの時も金曜日だった。
楓が俺を助けた影響で、倒れてしまいずっと体調が良くない期間があった。あの時期だ。
俺は目を瞑り、あの日を考えた。
俺が目を開ければ、そこはあの路地。
あの高齢の女性の家の前にいた。巨大な門の脇にある小さい門が開き、女性が出てきた。
「あら、もう帰られるの?」
「はい、俺は…彼女を諦めたくないから」
高齢の女性は俺に微笑む。
「貴方なら、出来るから…」