~Maple tree~ VI-7
あなたの名前を入れてね
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ワタルはホワイトボードに計算式を書いては、消してを繰り返した。
俺は時速500キロを弾き出す身近な装置を知らない。
音速[m/s] = 331 + 0.6 × 気温[℃]音速[km/h] = 0.331 + 0.6 × 気温[℃] × 3600[秒]
又は、
c[m/s] = √402.72(273.15 + 気温[℃])
という式で求める事をワタルに教えてもらった。しかし、音速を超えなくても、高速でもいい。
Phoenixの最高速度は400キロ。あと、100キロ足りない。
答えがすぐそばにあるのに、それに届かない。
「何故、500キロ必要なんだ?」
俺がポツリとつぶやいた。
ワタルは簡単に説明してくれた。
「恐らくだけど、このメモを残したレオンは誰かに協力してもらって、元いた世界に帰ったんだろうな。その中で、時速500キロに辿り着いたんだろうな。相対性理論の考えに基づいたものかな? 恐らくそれだと思うよ。それに、レオンは2006年から来たのに、今肉体年齢もそのままだろう? つまり、リップ・ヴァン・ウィンクル効果の影響を受けたんだろうな」
ワタルが物理学の話を延々として、説明してくれたが俺が元いた世界で楓との未来を直せる場所に行く事が最大の目標だ。
ワタルがホワイトボードに計算式を書いているとワタルの携帯電話が着信を告げる。
「はい。あ、淵上池のデータ取れた? あ、わかった! じゃあ、行くわ」
ワタルが電話を切ると、「池のデータ取れたから研究室来いって」とワタルに言われ、俺もついて行く事にした。
ワタルが調査を依頼したのは、ワタルの所属する大学の研究室。
主に微生物を調べる研究室。
ワタルの職場である大学に俺が行くと、女学生達にきゃあきゃあ言われたが、何にも思わなかった。
俺がきゃあきゃあ言われたいのは楓だけだから。
研究室のドアを開けると、見た目が科学オタクのような人物が出迎えてくれた。
しかし、見た目に難があった。
ひどい寝癖、瓶底眼鏡、シワシワの白衣。
「お、お、お前! なんちゅー格好してんだよ!? 家帰ってんのか?」
「ワタル殿! 久しぶりでやんす! 実は、電気が停められちゃったんですよね!! だから、家に帰るより、ここにいたら快適なんすよね! って、ワタル殿! このイケメンは誰でやんすか?」
「彼はレオンって名前で、俺が留学していた時に出来た友達!」
ワタルに簡潔に説明されたが、でっちあげである。
「…ワタル殿にも、イケてる友人ができて、僕は嬉しいでやんすよ」
「レオン、こいつは俺の高校からの友人。坂本渚。渚はこう見えても、めちゃくちゃ優秀な研究員」
「彼が淵上池を調べてほしいって言った人でやんすか?」
「そうそう」
ナギサに案内され、研究室に入りデスクが置かれた部屋に案内されるが、研究室はそれはそれは汚かった。
歴代の彼女達を越える汚さに俺は周りを見回した。
「テキトーに座るでやんす」
ナギサに言われるが座る場所がない。立って説明を受けることにした。
ナギサは俺とワタルに防護服を持ってくると着替えを要求してきた。俺達はそれに従い着替える。ナギサもそれに着替え、隔離室に連れてきた。
ナギサの説明によると、淵上池の奇妙な話を裏付ける要素になり得るものを見つけたとはしゃいでいた。
それを証明するためにと、持ってきたのはケージに入れられたラットだった。
ラットにガンタイプの注射器を使い、何かを投与した。
すると、ラットは急に苦しみだし動かなくなった。ピクピク動いていたラットは動かなくなった。
しばらくすると、死後硬直前に再びピクピク動き出すとその場をグルグルと回り出した。
「…何したんだ? ナギサ」
「これは、淵上池から採取した菌を培養して、増殖させたものでやんす。なんと、淵上池には二つの菌が住んでいたんでやんす」
「二つ?」
ワタルが興味深そうに聞いてきた。
「そうでやんす。淵上池には、昔話があったでやんすよね? それは、橘…なんちゃらさんがなんちゃらさんと協力して鎮めた怪異の話でやんす。昔のこの一帯に蔓延った流行り病の話のキッカケになった菌でやんす。屍病って言う病気でやんすが、この菌の仕業でやんす」
ナギサの説明ではこんな話だった。
この菌はこの池の中では、悪さをしない菌。 しかし、池の外に出るとウィルスに切り替わり、人を始めとする哺乳類に感染する。致死力は100%。
死亡後、脳にある肉体を動かす司令塔である小脳に影響を与えると言う事だ。
さらに、池から出たもう一つの菌は、前者の菌が活性化しないように、抑制する菌。
すなわち、ワクチンの原料である。
俺は時速500キロを弾き出す身近な装置を知らない。
音速[m/s] = 331 + 0.6 × 気温[℃]音速[km/h] = 0.331 + 0.6 × 気温[℃] × 3600[秒]
又は、
c[m/s] = √402.72(273.15 + 気温[℃])
という式で求める事をワタルに教えてもらった。しかし、音速を超えなくても、高速でもいい。
Phoenixの最高速度は400キロ。あと、100キロ足りない。
答えがすぐそばにあるのに、それに届かない。
「何故、500キロ必要なんだ?」
俺がポツリとつぶやいた。
ワタルは簡単に説明してくれた。
「恐らくだけど、このメモを残したレオンは誰かに協力してもらって、元いた世界に帰ったんだろうな。その中で、時速500キロに辿り着いたんだろうな。相対性理論の考えに基づいたものかな? 恐らくそれだと思うよ。それに、レオンは2006年から来たのに、今肉体年齢もそのままだろう? つまり、リップ・ヴァン・ウィンクル効果の影響を受けたんだろうな」
ワタルが物理学の話を延々として、説明してくれたが俺が元いた世界で楓との未来を直せる場所に行く事が最大の目標だ。
ワタルがホワイトボードに計算式を書いているとワタルの携帯電話が着信を告げる。
「はい。あ、淵上池のデータ取れた? あ、わかった! じゃあ、行くわ」
ワタルが電話を切ると、「池のデータ取れたから研究室来いって」とワタルに言われ、俺もついて行く事にした。
ワタルが調査を依頼したのは、ワタルの所属する大学の研究室。
主に微生物を調べる研究室。
ワタルの職場である大学に俺が行くと、女学生達にきゃあきゃあ言われたが、何にも思わなかった。
俺がきゃあきゃあ言われたいのは楓だけだから。
研究室のドアを開けると、見た目が科学オタクのような人物が出迎えてくれた。
しかし、見た目に難があった。
ひどい寝癖、瓶底眼鏡、シワシワの白衣。
「お、お、お前! なんちゅー格好してんだよ!? 家帰ってんのか?」
「ワタル殿! 久しぶりでやんす! 実は、電気が停められちゃったんですよね!! だから、家に帰るより、ここにいたら快適なんすよね! って、ワタル殿! このイケメンは誰でやんすか?」
「彼はレオンって名前で、俺が留学していた時に出来た友達!」
ワタルに簡潔に説明されたが、でっちあげである。
「…ワタル殿にも、イケてる友人ができて、僕は嬉しいでやんすよ」
「レオン、こいつは俺の高校からの友人。坂本渚。渚はこう見えても、めちゃくちゃ優秀な研究員」
「彼が淵上池を調べてほしいって言った人でやんすか?」
「そうそう」
ナギサに案内され、研究室に入りデスクが置かれた部屋に案内されるが、研究室はそれはそれは汚かった。
歴代の彼女達を越える汚さに俺は周りを見回した。
「テキトーに座るでやんす」
ナギサに言われるが座る場所がない。立って説明を受けることにした。
ナギサは俺とワタルに防護服を持ってくると着替えを要求してきた。俺達はそれに従い着替える。ナギサもそれに着替え、隔離室に連れてきた。
ナギサの説明によると、淵上池の奇妙な話を裏付ける要素になり得るものを見つけたとはしゃいでいた。
それを証明するためにと、持ってきたのはケージに入れられたラットだった。
ラットにガンタイプの注射器を使い、何かを投与した。
すると、ラットは急に苦しみだし動かなくなった。ピクピク動いていたラットは動かなくなった。
しばらくすると、死後硬直前に再びピクピク動き出すとその場をグルグルと回り出した。
「…何したんだ? ナギサ」
「これは、淵上池から採取した菌を培養して、増殖させたものでやんす。なんと、淵上池には二つの菌が住んでいたんでやんす」
「二つ?」
ワタルが興味深そうに聞いてきた。
「そうでやんす。淵上池には、昔話があったでやんすよね? それは、橘…なんちゃらさんがなんちゃらさんと協力して鎮めた怪異の話でやんす。昔のこの一帯に蔓延った流行り病の話のキッカケになった菌でやんす。屍病って言う病気でやんすが、この菌の仕業でやんす」
ナギサの説明ではこんな話だった。
この菌はこの池の中では、悪さをしない菌。 しかし、池の外に出るとウィルスに切り替わり、人を始めとする哺乳類に感染する。致死力は100%。
死亡後、脳にある肉体を動かす司令塔である小脳に影響を与えると言う事だ。
さらに、池から出たもう一つの菌は、前者の菌が活性化しないように、抑制する菌。
すなわち、ワクチンの原料である。