~Maple tree~ VI-6
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「… 楓は俺といきたいか?」
楓は俺を見上げて、頷いた。
「うん!」
俺はその言葉に、久しぶりに笑えた気がした。
「…俺が迎えに行くよ。必ず…、だから、ちゃんと君を迎えに行くから…」
俺がそう言うと楓は「待ってます」と答えた後に、俺に紅葉の髪飾りを渡してきた。
「おばあちゃんに会いましたか?」
「え?…、ああ、会った」
「貰った本を読んで、ちゃんと楓を迎えに行ってくださいね」
そう言った彼女は光の中に消えて行く。
俺はそれを見送ったあとに、振り返る。
そこは、あの駅だった。
駅には軍服を着た将校、首がない日本兵、そして…。
その中に、振袖を着て綺麗に着飾った楓がいた。
彼女の元に行くと、楓は俺に向き直る。俺は手にしていた紅葉の髪飾りを楓につけてやる。
「レオン…迎えに来てね」
そう言って、楓が優しく微笑む。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺が目を覚ますと、そこはワタルの部屋。
手の中には、紅葉の髪飾りの跡がくっきり残っていた。
ワタルは、月曜日という事もあり研究室に行く為に朝から忙しくしていた。
洗濯をし、掃除をする。俺も手伝いながら、夢の内容を思い出す。
「なあ、ワタル…、『閃光のPHOENIX』に、ライラプスっていう機体出てくるか?」
俺が洗濯を干しながら、聞くとワタルは答える。
「ああ、いるよ。あれは初期生産時のソフトのみに登場したバグが原因で登場する機体でさ、稀に登場するレアな機体なんだけどさ、あれが出てくるとゲームデータが飛ぶんだ…。YouTubeにさ、ライラプスと戦った事があるプレイヤーが投稿した動画あるから見てみたら?」
ライラプス…。あの忌々しい機体のせいで楓は消えた…。
ワタルを送り出した後、俺はワタルのパソコンを借りてYouTubeで検索をし、動画を見た。
ライラプスと検索すると、『閃光のPHOENIX』のプレイ動画が複数出てきた。
その中で、多くの人が見ているものを見てみた。
プレイヤーは少年のようだった。
PHOENIXの機体の改修をしている最中に、画面の右端に『敵機が現れました』と表示される。
プレイヤーの少年は「きたきた!!」と叫ぶ。
そして、ライラプスとの戦闘が始まる。
ライラプスのパイロットの声を聞くと目を見開いた。
風間凛…。
楓を侮辱し、楓を利用した…。忘れもしない…。
ライラプスが登場すると、ゲーム内のヒロインをライラプスが捕まえるとそれをコックピットに放り込む。
すると、画面上部にライフゲージが2本現れる。
「…趣味悪いな…」
プレイヤーの少年がそう言うのも分かる。
ライラプスは演算処理の為に人間を生体パーツにする。
生体パーツにされた人間は、30分が限界だとフユキが言っていた。
戦闘が始まると、ライラプスが歩いて移動するだけでもライフゲージが減る。
半分まで減っても、ライラプスは逃げ回るばかりで戦わない。
プレイヤーも同じように戦わない。
「これ戦ったら、データクラッシュするから嫌なんだよね…。まあ、ヒロイン死んでもなんもないからなぁ…」
プレイヤーの他人事のような言葉に俺は動画を止めた。
楓は、俺のヒロインだ。
どうにもなって欲しくない…。
俺はライラプスを倒したプレイヤーを探す為に、YouTubeで検索をかけたが出て来なかった。
俺は今度は、あの女性に貰った本を読んだ。
内容を読んでいくと、花の話がほとんどだった。
花…。楓の香り。
しばらく本を読み込んだあと、俺はワタルにと夕飯を作った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ワタルと夕飯を食べ、俺はワタルにダメ元で頼み事をした。
「ワタル…、ライラプスと戦ってくれないか…」
ワタルは俺が楓から習って作ったビーフボールを食べながら答える。
「いいよ…。でも、結構エゲツないけど…耐えられる…? というか、ライラプスになんでこだわるの?」
ワタルに俺が楓を失った最大の原因を話した。
すると、ワタルは米粒を食べ終えると俺の食器と合わせて片付ける。
そして、ワタルは大学ノートと『閃光のPHOENIX』の攻略本、ノートパソコン、筆記用具を持ってきた。
いつもの小さなテーブルに大学ノートを広げて、サラサラと書き出した。
「…まず、レオンの世界の彼女である楓ちゃんは7月ごろに大学校内にて発生したテロリストにより誘拐、翌年2月にレオンの前に再び現れたのね。その間に洗脳を受けた可能性がある…と」
楓は俺を見上げて、頷いた。
「うん!」
俺はその言葉に、久しぶりに笑えた気がした。
「…俺が迎えに行くよ。必ず…、だから、ちゃんと君を迎えに行くから…」
俺がそう言うと楓は「待ってます」と答えた後に、俺に紅葉の髪飾りを渡してきた。
「おばあちゃんに会いましたか?」
「え?…、ああ、会った」
「貰った本を読んで、ちゃんと楓を迎えに行ってくださいね」
そう言った彼女は光の中に消えて行く。
俺はそれを見送ったあとに、振り返る。
そこは、あの駅だった。
駅には軍服を着た将校、首がない日本兵、そして…。
その中に、振袖を着て綺麗に着飾った楓がいた。
彼女の元に行くと、楓は俺に向き直る。俺は手にしていた紅葉の髪飾りを楓につけてやる。
「レオン…迎えに来てね」
そう言って、楓が優しく微笑む。
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俺が目を覚ますと、そこはワタルの部屋。
手の中には、紅葉の髪飾りの跡がくっきり残っていた。
ワタルは、月曜日という事もあり研究室に行く為に朝から忙しくしていた。
洗濯をし、掃除をする。俺も手伝いながら、夢の内容を思い出す。
「なあ、ワタル…、『閃光のPHOENIX』に、ライラプスっていう機体出てくるか?」
俺が洗濯を干しながら、聞くとワタルは答える。
「ああ、いるよ。あれは初期生産時のソフトのみに登場したバグが原因で登場する機体でさ、稀に登場するレアな機体なんだけどさ、あれが出てくるとゲームデータが飛ぶんだ…。YouTubeにさ、ライラプスと戦った事があるプレイヤーが投稿した動画あるから見てみたら?」
ライラプス…。あの忌々しい機体のせいで楓は消えた…。
ワタルを送り出した後、俺はワタルのパソコンを借りてYouTubeで検索をし、動画を見た。
ライラプスと検索すると、『閃光のPHOENIX』のプレイ動画が複数出てきた。
その中で、多くの人が見ているものを見てみた。
プレイヤーは少年のようだった。
PHOENIXの機体の改修をしている最中に、画面の右端に『敵機が現れました』と表示される。
プレイヤーの少年は「きたきた!!」と叫ぶ。
そして、ライラプスとの戦闘が始まる。
ライラプスのパイロットの声を聞くと目を見開いた。
風間凛…。
楓を侮辱し、楓を利用した…。忘れもしない…。
ライラプスが登場すると、ゲーム内のヒロインをライラプスが捕まえるとそれをコックピットに放り込む。
すると、画面上部にライフゲージが2本現れる。
「…趣味悪いな…」
プレイヤーの少年がそう言うのも分かる。
ライラプスは演算処理の為に人間を生体パーツにする。
生体パーツにされた人間は、30分が限界だとフユキが言っていた。
戦闘が始まると、ライラプスが歩いて移動するだけでもライフゲージが減る。
半分まで減っても、ライラプスは逃げ回るばかりで戦わない。
プレイヤーも同じように戦わない。
「これ戦ったら、データクラッシュするから嫌なんだよね…。まあ、ヒロイン死んでもなんもないからなぁ…」
プレイヤーの他人事のような言葉に俺は動画を止めた。
楓は、俺のヒロインだ。
どうにもなって欲しくない…。
俺はライラプスを倒したプレイヤーを探す為に、YouTubeで検索をかけたが出て来なかった。
俺は今度は、あの女性に貰った本を読んだ。
内容を読んでいくと、花の話がほとんどだった。
花…。楓の香り。
しばらく本を読み込んだあと、俺はワタルにと夕飯を作った。
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ワタルと夕飯を食べ、俺はワタルにダメ元で頼み事をした。
「ワタル…、ライラプスと戦ってくれないか…」
ワタルは俺が楓から習って作ったビーフボールを食べながら答える。
「いいよ…。でも、結構エゲツないけど…耐えられる…? というか、ライラプスになんでこだわるの?」
ワタルに俺が楓を失った最大の原因を話した。
すると、ワタルは米粒を食べ終えると俺の食器と合わせて片付ける。
そして、ワタルは大学ノートと『閃光のPHOENIX』の攻略本、ノートパソコン、筆記用具を持ってきた。
いつもの小さなテーブルに大学ノートを広げて、サラサラと書き出した。
「…まず、レオンの世界の彼女である楓ちゃんは7月ごろに大学校内にて発生したテロリストにより誘拐、翌年2月にレオンの前に再び現れたのね。その間に洗脳を受けた可能性がある…と」