~Maple tree~ VI-6
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楓を連れて、マンションに帰宅するとアカネがこれから探しに行こうとしているのか、出かけようとしていた。横にはワタルが電話をしていた。
「あっ! ママっ!?」
アカネの声に、ワタルが俺を見て両手で自分の頬に手を添えて『叫び』を彷彿とさせるポーズをした。
「レオン、まさか!?」
ワタルに言われ、俺は「違うに決まっているだろうが」とツッコんだ。
アカネに事情を話し、彼女を部屋に運び入れるとアカネにパスをし、俺はワタルに冷めたおかずの袋を渡した。
ワタルが電子レンジでおかずを温め直している間に俺は手を洗いながら、楓が話していた事を考える。
この世界の楓は俺との出会いは、1998年。
1998年は色々ありすぎだ。
色々あった。
ワタルがいつもの小さいテーブルに白米、インスタントのミソスープ、購入してきたおかずを皿に移し替えて、用意してくれた。
「ワタル…ありがとう」
「いや、いいよ。ところで、楓さんと何かあったのか?」
俺はワタルに今日あった事を話した。
ワタルと俺は食事を終えて、俺が食器洗いと後片付けをし、ワタルは洗濯を畳んだあとに明日のゴミ回収の為に準備をした後にゴミ出しをした。
そのあと、俺に発泡酒を渡した。
「さっきの話だけどさ、なんか気になるんだよな…」
ワタルは、発泡酒をグイッと煽り、ホワイトボードにサラサラと書いていく。
「1998年に楓さんはこっちの世界のレオンに出会っている。だけど、レオンがいた世界の楓さんはレオンに2004年に初めて会ったんだろう?」
ワタルが言う通り、俺とこの世界の俺は共通点がたくさんある。
警官だった。1998年に運命的な出会いをする。テロに巻き込まれる。
そして、楓と出会う。
「しかも、1998年がターニングポイントになっていると。さらに、こっちの世界のレオンはゾンビの話をよく楓さんに話していたんだな。実際に経験した事がない話、存在しない都市での話をしている…1998年に今まで1つだったレオンという人間が複数コピーされて、それぞれの世界で生きるという事が起きたんだろうな…。レオンはさ、本当に自分の世界で楓さんに1998年出会っていないのか?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は頭の裏にある枕に両手のひらを入れ、豆電球だけが灯った白い天井を見上げながら、ワタルのイビキをBGMにぼんやりと眺めながら、1998年に楓とどこかで出逢ったかを思い出そうとした。
しかし、ラクーン事件がインパクトが強すぎて思い出せない。
俺は、横向きになりよく楓を抱きしめながら寝ていた事を思い出す。
楓は小さい体を俺にくっつけて眠っていた。楓は寝相が良すぎた。
一度寝入ると、よっぽどの事がないと動かない。
ずっと、俺の腕の中で眠る彼女。時々、怖い夢をみて泣いていた。
その度に、俺は飛び起きて楓を抱きしめながら声を掛けた。
大丈夫だと。普段は全然甘えてこないくせに、寝ている時の彼女が本当の姿なんだと思った。
小さくて、儚くて…、でも、美しい。
俺は彼女を想い目を瞑る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺が目を覚ますと、そこは病院の総合待合室だった。
あたりを見回すと、老若男女の人間達が診察を待っている者、会計を待つ者、様々な理由でそこに待っている。
すると、俺の耳に届いたのは楓の声。
俺を呼ぶ可愛い声。
「レオン…迎えに来て」
俺は、立ち上がりあたりを見回すと廊下の奥に以前、見た和服の少女がこちらを見たあとに走り去っていく。
俺はそれを追いかけていく、病院内を見るとここはラクーンシティにあった総合病院だ。
様々な患者達の横を過ぎ、床にあるアンブレラ製薬のマークを見て、俺は思い出した。
来た事がある。この病院に。
確か…、ラクーン市警着任前の健康診断。
俺が顔を上げて、少女を追いかける。
すると、ドアが開けられた病室に入って行くのが見えた。
俺もそこに飛び込むと、窓際のベッドに1人でテレビを見ている女の子がいた。
黒髪に紅葉の髪飾りが見えた。
「楓っ!」
少女は振り返ってこちらを見た。
そこにいたのは、幼い楓だった。
まだ10代前半の楓のはだけた胸元にある手術痕が生々しい。
ベッドの脇に立つと、俺は楓を抱きしめた。
「楓! ごめんっ! ずっとここにいたんだね…、迎えに来たよ」
楓は俺と見つめ合うと、「…レオン、ずっと待っていたよ」と。
「楓、俺と帰ろう…」
「レオン…、私は楓の思い出の一部でしかないんです…」
「思い出って…」
「貴方の知っている楓は、あなたの世界での付加価値がすごいですよね?」
付加価値…。それは、Gウィルスをも駆逐するあのウィルス。
ユニコーン。
「…でも、彼女はそれを望まない。でも、無くなったら、彼女は死ぬのが分かっている。だから、付加価値と生きる事を選びました」
それは、世界中から俺を見つけて生きる事。
「あっ! ママっ!?」
アカネの声に、ワタルが俺を見て両手で自分の頬に手を添えて『叫び』を彷彿とさせるポーズをした。
「レオン、まさか!?」
ワタルに言われ、俺は「違うに決まっているだろうが」とツッコんだ。
アカネに事情を話し、彼女を部屋に運び入れるとアカネにパスをし、俺はワタルに冷めたおかずの袋を渡した。
ワタルが電子レンジでおかずを温め直している間に俺は手を洗いながら、楓が話していた事を考える。
この世界の楓は俺との出会いは、1998年。
1998年は色々ありすぎだ。
色々あった。
ワタルがいつもの小さいテーブルに白米、インスタントのミソスープ、購入してきたおかずを皿に移し替えて、用意してくれた。
「ワタル…ありがとう」
「いや、いいよ。ところで、楓さんと何かあったのか?」
俺はワタルに今日あった事を話した。
ワタルと俺は食事を終えて、俺が食器洗いと後片付けをし、ワタルは洗濯を畳んだあとに明日のゴミ回収の為に準備をした後にゴミ出しをした。
そのあと、俺に発泡酒を渡した。
「さっきの話だけどさ、なんか気になるんだよな…」
ワタルは、発泡酒をグイッと煽り、ホワイトボードにサラサラと書いていく。
「1998年に楓さんはこっちの世界のレオンに出会っている。だけど、レオンがいた世界の楓さんはレオンに2004年に初めて会ったんだろう?」
ワタルが言う通り、俺とこの世界の俺は共通点がたくさんある。
警官だった。1998年に運命的な出会いをする。テロに巻き込まれる。
そして、楓と出会う。
「しかも、1998年がターニングポイントになっていると。さらに、こっちの世界のレオンはゾンビの話をよく楓さんに話していたんだな。実際に経験した事がない話、存在しない都市での話をしている…1998年に今まで1つだったレオンという人間が複数コピーされて、それぞれの世界で生きるという事が起きたんだろうな…。レオンはさ、本当に自分の世界で楓さんに1998年出会っていないのか?」
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俺は頭の裏にある枕に両手のひらを入れ、豆電球だけが灯った白い天井を見上げながら、ワタルのイビキをBGMにぼんやりと眺めながら、1998年に楓とどこかで出逢ったかを思い出そうとした。
しかし、ラクーン事件がインパクトが強すぎて思い出せない。
俺は、横向きになりよく楓を抱きしめながら寝ていた事を思い出す。
楓は小さい体を俺にくっつけて眠っていた。楓は寝相が良すぎた。
一度寝入ると、よっぽどの事がないと動かない。
ずっと、俺の腕の中で眠る彼女。時々、怖い夢をみて泣いていた。
その度に、俺は飛び起きて楓を抱きしめながら声を掛けた。
大丈夫だと。普段は全然甘えてこないくせに、寝ている時の彼女が本当の姿なんだと思った。
小さくて、儚くて…、でも、美しい。
俺は彼女を想い目を瞑る。
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俺が目を覚ますと、そこは病院の総合待合室だった。
あたりを見回すと、老若男女の人間達が診察を待っている者、会計を待つ者、様々な理由でそこに待っている。
すると、俺の耳に届いたのは楓の声。
俺を呼ぶ可愛い声。
「レオン…迎えに来て」
俺は、立ち上がりあたりを見回すと廊下の奥に以前、見た和服の少女がこちらを見たあとに走り去っていく。
俺はそれを追いかけていく、病院内を見るとここはラクーンシティにあった総合病院だ。
様々な患者達の横を過ぎ、床にあるアンブレラ製薬のマークを見て、俺は思い出した。
来た事がある。この病院に。
確か…、ラクーン市警着任前の健康診断。
俺が顔を上げて、少女を追いかける。
すると、ドアが開けられた病室に入って行くのが見えた。
俺もそこに飛び込むと、窓際のベッドに1人でテレビを見ている女の子がいた。
黒髪に紅葉の髪飾りが見えた。
「楓っ!」
少女は振り返ってこちらを見た。
そこにいたのは、幼い楓だった。
まだ10代前半の楓のはだけた胸元にある手術痕が生々しい。
ベッドの脇に立つと、俺は楓を抱きしめた。
「楓! ごめんっ! ずっとここにいたんだね…、迎えに来たよ」
楓は俺と見つめ合うと、「…レオン、ずっと待っていたよ」と。
「楓、俺と帰ろう…」
「レオン…、私は楓の思い出の一部でしかないんです…」
「思い出って…」
「貴方の知っている楓は、あなたの世界での付加価値がすごいですよね?」
付加価値…。それは、Gウィルスをも駆逐するあのウィルス。
ユニコーン。
「…でも、彼女はそれを望まない。でも、無くなったら、彼女は死ぬのが分かっている。だから、付加価値と生きる事を選びました」
それは、世界中から俺を見つけて生きる事。