~Maple tree~ VI-5
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しばらくすると、ワタルが来てくれた。
「レオン…あとは」
ワタルに促され、俺達が立ち去るとあの親子は椅子に座り、話をしていた。
エレベーターに乗り込みワタルと乗り込む。
「レオンやるね」
ワタルに言われても俺は何の事かわからなかった。
「何がだ?」
「…さっき、楓さんと話した。楓さん、再婚するって…もう、前を向く、もう死んだ旦那の幻影に取り憑かれないように、したいって…」
「ああ」
「レオンに会って、そう思えたんだと。今までずっと、死んだ旦那に縋って、旦那が好きだったもんを食べたり、飲んだりして、ずっと縋っていたんだと…だけど、意味がないんだって思えたんだと…、レオンはさ、人の気持ちを簡単に動かしたんだ」
人を動かせるのは簡単な事ではない。
俺もそうだったから。
楓が俺に与えた影響は凄まじかったから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日から、俺は例の塾で講師を始めた。
基本は、楓のフォローをしながら、俺が今まで楓と話していた日常英会話をするが、日本人の英語力の程度の低さに驚いた。
俺の世界にいた楓が理解できた英会話をそこまで理解できないこちらの世界の楓。
顔や背格好が同じでも、理解できない壁に俺は改めて俺の楓がどれだけ優秀でどれだけ努力してきたのかを思う。
楓も英会話教室に通い、忙しくしていたから。
だが、俺は『人に何かを教える事』に何かしら見出していた。
タカヒロもそうだったから。タカヒロは元々は海兵隊出身の軍人だった。
海兵隊での経験、軍人としての経験、経営者としての経験、戦場に立った経験を活かして、今は指導者の道を歩んでいる。
HOFの人員カバーの為にトップだろうが関係なく雑用もしていたタカヒロ。
以前、俺がいたオフィスにHOFの喫茶室のコーヒーの配達も手伝っていたり、HOF内の託児所で職員が体調不良になれば飛んでいってカバーしていた。
タカヒロは俺にとっても理想の上司だ。
アダムの次にだが。
人に何かを与えるには、それなりの経験や知識がいる。それを引き出し、自在に操るには熟知しないといけない。
俺がネイティブに伝わる英語を話すと、きちんと質問し、返してくれる。
子供達の頭の柔らかさには、関心した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初は不慣れだった幼児クラスでは、俺が経験した任務であった面白いエピソードを話した。
サバイバルが趣味といい具合に嘘をついて、蛇やワニ、時には鳥を捕まえて食べた話をすれば幼児クラスの子達は喜んだ。
面白がってだが。
そんな事をしながら、1週間が経過した。
俺は週末にワタルと約束した車を見に行った。
ワタルはやたらと友人が多い。フユキのようだ。フユキからPHOENIXを預かり、一度だけ家に帰り、俺が貯めていた金を取りに行った時にフユキは何も言わずにいた。
フユキの優しさに救われた。
ワタルと共に来たのは個人経営をしているディーラーの店だった。
古い車、新しい車が混在し、ごちゃごちゃしているような場所だった。
事務所に一緒に行くと、埃っぽく、雑然としていた。
中から現れたのは、いかにもという格好をした人物だ。
くたびれた作業着には、油が付き、髪はボサボサの男性。
ワタルと同じくらいの年齢だろう。
名前を御剣颯斗 という。
店名はミツルギ重工という大層な名前だが、社長、従業員、整備士を一人でするという状態だった。
「航、来てくれてありがとう! 早速なんだけど…って、航! 外人の友達か?」
ワタルにハヤトが俺を見てから言うと、ワタルは「アメリカから来たんだ」と話してくれた。そして、簡単に紹介してくれた。
「へーっ! よろしく、じゃあ! 早速見てくれよ」
「レオン…あとは」
ワタルに促され、俺達が立ち去るとあの親子は椅子に座り、話をしていた。
エレベーターに乗り込みワタルと乗り込む。
「レオンやるね」
ワタルに言われても俺は何の事かわからなかった。
「何がだ?」
「…さっき、楓さんと話した。楓さん、再婚するって…もう、前を向く、もう死んだ旦那の幻影に取り憑かれないように、したいって…」
「ああ」
「レオンに会って、そう思えたんだと。今までずっと、死んだ旦那に縋って、旦那が好きだったもんを食べたり、飲んだりして、ずっと縋っていたんだと…だけど、意味がないんだって思えたんだと…、レオンはさ、人の気持ちを簡単に動かしたんだ」
人を動かせるのは簡単な事ではない。
俺もそうだったから。
楓が俺に与えた影響は凄まじかったから。
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翌日から、俺は例の塾で講師を始めた。
基本は、楓のフォローをしながら、俺が今まで楓と話していた日常英会話をするが、日本人の英語力の程度の低さに驚いた。
俺の世界にいた楓が理解できた英会話をそこまで理解できないこちらの世界の楓。
顔や背格好が同じでも、理解できない壁に俺は改めて俺の楓がどれだけ優秀でどれだけ努力してきたのかを思う。
楓も英会話教室に通い、忙しくしていたから。
だが、俺は『人に何かを教える事』に何かしら見出していた。
タカヒロもそうだったから。タカヒロは元々は海兵隊出身の軍人だった。
海兵隊での経験、軍人としての経験、経営者としての経験、戦場に立った経験を活かして、今は指導者の道を歩んでいる。
HOFの人員カバーの為にトップだろうが関係なく雑用もしていたタカヒロ。
以前、俺がいたオフィスにHOFの喫茶室のコーヒーの配達も手伝っていたり、HOF内の託児所で職員が体調不良になれば飛んでいってカバーしていた。
タカヒロは俺にとっても理想の上司だ。
アダムの次にだが。
人に何かを与えるには、それなりの経験や知識がいる。それを引き出し、自在に操るには熟知しないといけない。
俺がネイティブに伝わる英語を話すと、きちんと質問し、返してくれる。
子供達の頭の柔らかさには、関心した。
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最初は不慣れだった幼児クラスでは、俺が経験した任務であった面白いエピソードを話した。
サバイバルが趣味といい具合に嘘をついて、蛇やワニ、時には鳥を捕まえて食べた話をすれば幼児クラスの子達は喜んだ。
面白がってだが。
そんな事をしながら、1週間が経過した。
俺は週末にワタルと約束した車を見に行った。
ワタルはやたらと友人が多い。フユキのようだ。フユキからPHOENIXを預かり、一度だけ家に帰り、俺が貯めていた金を取りに行った時にフユキは何も言わずにいた。
フユキの優しさに救われた。
ワタルと共に来たのは個人経営をしているディーラーの店だった。
古い車、新しい車が混在し、ごちゃごちゃしているような場所だった。
事務所に一緒に行くと、埃っぽく、雑然としていた。
中から現れたのは、いかにもという格好をした人物だ。
くたびれた作業着には、油が付き、髪はボサボサの男性。
ワタルと同じくらいの年齢だろう。
名前を
店名はミツルギ重工という大層な名前だが、社長、従業員、整備士を一人でするという状態だった。
「航、来てくれてありがとう! 早速なんだけど…って、航! 外人の友達か?」
ワタルにハヤトが俺を見てから言うと、ワタルは「アメリカから来たんだ」と話してくれた。そして、簡単に紹介してくれた。
「へーっ! よろしく、じゃあ! 早速見てくれよ」