~Maple tree~ VI-4
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「ここ。屍病が広がった要因になった場所だ。書物や記録によって、池だったり、沼だったりするけど、ここは“淵上池”」
ワタルが連れてきた場所は、淵上池という場所だった。
池と看板には書いてあるが、実際は平地になっており、京都府が管理している土地になっており、周辺を立ち入り禁止エリアにし、中には入れないようになっていた。
まず、淵上池の由来が書かれた立て看板を見ると、江戸時代頃に『実相寺家と橘家が協力し、池に住う人魚を鎮めたという伝記がある。
俺が知っている内容と若干違う。
人魚の肉を食べるという実相寺家に伝わる『試しの儀』という変わった儀式があり、その儀式によって人を選ぶ作業をしていたようだ。
人魚の正体が分からないと、何をしていたのかは定かではない。
ワタルは、リュックサックから検査キットを取り出し、地質や空気や近くにある木や沼の泥を回収していた。
俺は周りを見回していると、だいぶ前に見た夢に出てきた楓の木を見つけた。
夢で見た木とよく似た木の周りを回っていると、かなり古い日本家屋を見つけた。
黄色と黒色のロープが張り巡らされ、立ち入り禁止を促す看板。
その周りをひと回りしながら、歩いていると楓の花の香りがした。
慌てて振り返るが誰もいない。
木がざわつき、不気味な雰囲気を醸し出してきた。
古い日本家屋を見ていると、突然頭痛がした。左側頭部が痛くなってきた。
「お兄ちゃん…」
俺は振り返ると、真後ろに俯いた肌が異様に白い女の子が立っていた。
久しぶりに感じた。背筋がゾッとする感覚。
「お兄ちゃん…“また上手くいかなかったの?”」
その言葉を聞いた時に、一気に再生されるのは楓の“最期”だった。
車にはねられた映像、病院で亡くなる映像、腹部を刺されて死ね映像、そして首がはねられる映像。そして、この間の俺の腕の中で消えた映像…。
俺はみんな知っていて、みんな分かっていたんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おーい、レオン!? 大丈夫か?」
レオンが膝をついて、頭を抱えている姿を見た航こと俺は傍に寄った。
「…」
レオンは頭を抱えていたが、俺を見た。
「…なぁ、お、女の子…女の子いなかったか?!」
レオンがとんでもない剣幕で、俺の襟元を掴んできた。
「女の子? いや、いないよ?」
「…すまない…」
レオンはかなり落ち込んだ様子で、俺に無理して平常心を保った顔をしたが、俺は深呼吸をしてからレオンを立たせる。
「ちょっといいとこ行くぞ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ワタルに連れられ、やって来た場所に俺はかなり驚いた。
そこは、楓の実家である、あの旅館だった。
こちらの世界にも、楓の実家の旅館がある。
「ここは、飯だけでも食えるんだ! 美味しくて有名なんだ」
俺がこの旅館が、俺がいた世界の楓の実家だとは知らないワタル。
「疲れた時は、美味いもん食べるの」
ワタルに言われて、連れられ旅館内に入ると旅館内にある一階スペースにあるレストランスペースに移動した。
窓際の位置に座り、俺はさっきの映像を思い浮かべる。
さっきの少女は“また上手くいかなかった”と。
俺はその言葉から、自分が何故ここに来たのかを考える。
ワタルが言っていた。偶然はない。
必ず理由があると。
すると、俺達が座ったテーブルにやって来たウェイトレスに俺は目を見開いた。
楓に雰囲気が似た少女。
「茜ちゃん、こんにちは」
ワタルが挨拶をすると、ウェイトレス姿の茜は「うっす」と挨拶をした後、俺をチラッと見た。
持って来たおしぼりという袋に入れられた布巾と透明のグラスに入れられた水を運んできた。
「何すんの?」
「今日のオススメで」
ワタルがそう言うと、アカネは俺を見て「アンタは?」と聞いて来たので、「同じので」と答えると「ふん」と言うとその場を離れた。
「おう、相変わらずの塩対応…」
「塩対応って?」
「あぁ、ああいう態度の事だよ」
アカネは一応はマニュアル通り接客をしているのだが、いつかはクレームになりそうな態度だった。
楓にそっくりの彼女。この世界での、俺と楓の娘になるが、あそこまでグレたのには何かありそうだが。
「実はここ、楓さんの実家なんだよ」
ワタルが俺にそう言うと、俺は思わず目を見開いた。
ワタルが連れてきた場所は、淵上池という場所だった。
池と看板には書いてあるが、実際は平地になっており、京都府が管理している土地になっており、周辺を立ち入り禁止エリアにし、中には入れないようになっていた。
まず、淵上池の由来が書かれた立て看板を見ると、江戸時代頃に『実相寺家と橘家が協力し、池に住う人魚を鎮めたという伝記がある。
俺が知っている内容と若干違う。
人魚の肉を食べるという実相寺家に伝わる『試しの儀』という変わった儀式があり、その儀式によって人を選ぶ作業をしていたようだ。
人魚の正体が分からないと、何をしていたのかは定かではない。
ワタルは、リュックサックから検査キットを取り出し、地質や空気や近くにある木や沼の泥を回収していた。
俺は周りを見回していると、だいぶ前に見た夢に出てきた楓の木を見つけた。
夢で見た木とよく似た木の周りを回っていると、かなり古い日本家屋を見つけた。
黄色と黒色のロープが張り巡らされ、立ち入り禁止を促す看板。
その周りをひと回りしながら、歩いていると楓の花の香りがした。
慌てて振り返るが誰もいない。
木がざわつき、不気味な雰囲気を醸し出してきた。
古い日本家屋を見ていると、突然頭痛がした。左側頭部が痛くなってきた。
「お兄ちゃん…」
俺は振り返ると、真後ろに俯いた肌が異様に白い女の子が立っていた。
久しぶりに感じた。背筋がゾッとする感覚。
「お兄ちゃん…“また上手くいかなかったの?”」
その言葉を聞いた時に、一気に再生されるのは楓の“最期”だった。
車にはねられた映像、病院で亡くなる映像、腹部を刺されて死ね映像、そして首がはねられる映像。そして、この間の俺の腕の中で消えた映像…。
俺はみんな知っていて、みんな分かっていたんだ。
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「おーい、レオン!? 大丈夫か?」
レオンが膝をついて、頭を抱えている姿を見た航こと俺は傍に寄った。
「…」
レオンは頭を抱えていたが、俺を見た。
「…なぁ、お、女の子…女の子いなかったか?!」
レオンがとんでもない剣幕で、俺の襟元を掴んできた。
「女の子? いや、いないよ?」
「…すまない…」
レオンはかなり落ち込んだ様子で、俺に無理して平常心を保った顔をしたが、俺は深呼吸をしてからレオンを立たせる。
「ちょっといいとこ行くぞ」
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ワタルに連れられ、やって来た場所に俺はかなり驚いた。
そこは、楓の実家である、あの旅館だった。
こちらの世界にも、楓の実家の旅館がある。
「ここは、飯だけでも食えるんだ! 美味しくて有名なんだ」
俺がこの旅館が、俺がいた世界の楓の実家だとは知らないワタル。
「疲れた時は、美味いもん食べるの」
ワタルに言われて、連れられ旅館内に入ると旅館内にある一階スペースにあるレストランスペースに移動した。
窓際の位置に座り、俺はさっきの映像を思い浮かべる。
さっきの少女は“また上手くいかなかった”と。
俺はその言葉から、自分が何故ここに来たのかを考える。
ワタルが言っていた。偶然はない。
必ず理由があると。
すると、俺達が座ったテーブルにやって来たウェイトレスに俺は目を見開いた。
楓に雰囲気が似た少女。
「茜ちゃん、こんにちは」
ワタルが挨拶をすると、ウェイトレス姿の茜は「うっす」と挨拶をした後、俺をチラッと見た。
持って来たおしぼりという袋に入れられた布巾と透明のグラスに入れられた水を運んできた。
「何すんの?」
「今日のオススメで」
ワタルがそう言うと、アカネは俺を見て「アンタは?」と聞いて来たので、「同じので」と答えると「ふん」と言うとその場を離れた。
「おう、相変わらずの塩対応…」
「塩対応って?」
「あぁ、ああいう態度の事だよ」
アカネは一応はマニュアル通り接客をしているのだが、いつかはクレームになりそうな態度だった。
楓にそっくりの彼女。この世界での、俺と楓の娘になるが、あそこまでグレたのには何かありそうだが。
「実はここ、楓さんの実家なんだよ」
ワタルが俺にそう言うと、俺は思わず目を見開いた。