うどんを食べ終えた頃合いに、テーブルの上のスマートフォンが着信を告げます。

　私はスマートフォンを手に取り、ディスプレイを見ればそこにはレオンさんの名前。

　ドキッとした後に、応答をします。

「はい」

『楓、ちゃんとご飯食べたか？』

　レオンさんが私を心配してお電話をして来ました。

「はい、食べました」

『楓、お弁当ありがとう。美味しかった』

「…あ、ありがとうございます」

『今日、夕飯何？』

　まるで、夫婦の様な会話。夫婦ですが。

「今日は、ポークジンジャーにしようかと思います」

『楽しみにしてる、何かあったら連絡して。あっ、あと。昼寝しろよ？　ちゃんと休むんだ』

「わ、分かりました」

『楓、愛しているよ』

「わ、私も…レオンさんが好き。愛しています」

　そう言って、彼との通話が終わると、私は顔が真っ赤になってしまいました。

　私はスマートフォンのアラーム設定をし、お昼寝をする事にしました。

　ソファに寝転がり、レオンさんがくれた指輪を眺めます。

　レオンさんが私にくれた高価な指輪。
　私にプロポーズしてくれた時にくれた大事な指輪。

　私はそれを胸に抱き、目を瞑りました。