Maple tree ~Gentle time~XIX-2
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指定された場所、それはHOF日本支部の京都拠点がある場所。
場所は、京都府の中枢である府庁の隣にある真新しい建物。
府庁は長い歴史を感じる、年季の入った建物だった。西洋建築を取り入れた建物。
あの日本全土を巻き込んだバイオテロにより、周辺は最後の砦のように機能していた。
生存者たちは身を寄せ合い、助け合いながら、ようやく復興をしたのだ。
何とか、元々住んでいた住居に戻り、元の生活に戻れた者もいれば、家を失い、家族や仲間、友人を失った者もいる。
様々な人々が毎日のように府庁を訪れ、手続きをしたりしている。
到着したHOFの建物内に入ると、受付嬢がこちらを見てきた。
俺は受付嬢に電子指示書を見せると、受付嬢は慌てて何処かへ電話をした。
「…申し訳ありませんが、そちらにお掛けになってお待ちいただけますか? “課長”」
課長…という違和感しかない言葉に固まる。
言われた通り、受付の脇にある長椅子に腰掛けて待つ事にした。待つのは慣れている。
その間、考えるのは楓の事。
楓の今の健康状態の事だ。
精神と肉体は繋がっている。楓は長年にわたる精神的ストレスもあり、儚い。そして、脆い。
一緒に寝てみるとよく分かるが、寝ながら時々泣いている事がある。
一度、泣いていた楓を起こした事がある。その時楓は俺を見て、抱擁を要求してきた。
勿論、それに応えてやると楓はその時、俺に甘えてきたのだ。
やっと甘えてくれた時、楓はいつも疲れてしまっている。
もっと早く、甘えて欲しい事を伝えると楓はまた泣いていた。
泣き虫になったと言っていた楓。
楓は泣き虫ではない、楓はただ…。
「課長」
何処かで聞いた事がある声に頭を上げるとそこには見慣れたやつがいた。
「…フユキ?!」
そこには、アメリカにある貸家の家主の孫という位置付けで俺にほぼ無償で家を貸してくれている、友人で仲間で、大切な存在になったフユキ・タチバナがいたのだ。
「レオン! 久しぶり!」
「フユキ、アメリカはどうした?」
「聞きたい事がたくさんあるんだろう? 順番に答えていくから場所を変えようぜ」
場所は、京都府の中枢である府庁の隣にある真新しい建物。
府庁は長い歴史を感じる、年季の入った建物だった。西洋建築を取り入れた建物。
あの日本全土を巻き込んだバイオテロにより、周辺は最後の砦のように機能していた。
生存者たちは身を寄せ合い、助け合いながら、ようやく復興をしたのだ。
何とか、元々住んでいた住居に戻り、元の生活に戻れた者もいれば、家を失い、家族や仲間、友人を失った者もいる。
様々な人々が毎日のように府庁を訪れ、手続きをしたりしている。
到着したHOFの建物内に入ると、受付嬢がこちらを見てきた。
俺は受付嬢に電子指示書を見せると、受付嬢は慌てて何処かへ電話をした。
「…申し訳ありませんが、そちらにお掛けになってお待ちいただけますか? “課長”」
課長…という違和感しかない言葉に固まる。
言われた通り、受付の脇にある長椅子に腰掛けて待つ事にした。待つのは慣れている。
その間、考えるのは楓の事。
楓の今の健康状態の事だ。
精神と肉体は繋がっている。楓は長年にわたる精神的ストレスもあり、儚い。そして、脆い。
一緒に寝てみるとよく分かるが、寝ながら時々泣いている事がある。
一度、泣いていた楓を起こした事がある。その時楓は俺を見て、抱擁を要求してきた。
勿論、それに応えてやると楓はその時、俺に甘えてきたのだ。
やっと甘えてくれた時、楓はいつも疲れてしまっている。
もっと早く、甘えて欲しい事を伝えると楓はまた泣いていた。
泣き虫になったと言っていた楓。
楓は泣き虫ではない、楓はただ…。
「課長」
何処かで聞いた事がある声に頭を上げるとそこには見慣れたやつがいた。
「…フユキ?!」
そこには、アメリカにある貸家の家主の孫という位置付けで俺にほぼ無償で家を貸してくれている、友人で仲間で、大切な存在になったフユキ・タチバナがいたのだ。
「レオン! 久しぶり!」
「フユキ、アメリカはどうした?」
「聞きたい事がたくさんあるんだろう? 順番に答えていくから場所を変えようぜ」