ネタまとめ【創作刀剣】

刀工を同じくして造られた二振りなんだけど、一振りは誰が扱っても良く切れたため、それを農民から取り上げようとした役人の手首をズバリと落とした逸話持ち。本来はさるお方に献上されるために作られていたが、戦の始まりの混乱で戦場に出されてしまった刀。
もう一振りは刀工の最高傑作と詠われた刀であり、数々の家を渡って受け継がれた美術刀。本来は戦で振るわれるために作られた名刀だが、その美しさが損なわれるのを恐れられ一度も戦で振るわれたことが無い。

入電は傑作くんのみで、本丸の部隊を戦場に送り出してすぐに単独行動に移ってしまう。そのため通常面を進むごとに別所で行われている二振りの問答が回想形式で映されることになる。
最終的に二振りの問答に答える選択肢の代わりに、2つの遡行軍の拠点のどちらを先に落とすかで加入順が決まる。

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逸話のせいで刀工や刀本来の物語が薄れつつある刀と、ただただ最高傑作と詠われたのみで何の物語も持たない刀。どちらが正しいなんて無く、これは互いを知るための問答である。

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「……じゃあ、どうすれば良かったのですか。この身体を持つ前の刀の身で、変わりゆく自分を恐れる以外に……何が出来たと言うのですか。」

「貴方が、貴方がそれを言うのか!?捨てたいなどと……この僕に向かって!この虚ろに向かって……どうしてそんな言葉を紡ぐんだ……。」

「あの話には続きがあるのです。役人の手首をいくら落としたところで反逆には変わりない。彼の農民はその後他の役人達に取り押さえられ、惨たらしく殺されました。」
「たとえ、あの方が満足した死を迎えたのだとしても、私にとっては何一つ嬉しくない。……嬉しくなかったのですよ。」

「たくさんの称賛を得た。たくさんの愛を得た。それでも俺は貴方が捨てたかったその唯一つだけが欲しかったんだ。」
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