エピローグのその先で
・腐向け
・部長の経歴捏造(メビウス記憶持ち)
・ほぼ匂わせポエム
昔書いてた主♂こばのポエムです。
「俺は小鳩が羨ましい。」の一言で小鳩に本気でぶん殴られる所から始まる、メビウス記憶消去失敗二代目部長のキャラエピ(概念)物語。(続かない)
なんでも許せる方のみどうぞ
・・・
言ってしまったと、後悔した時にはもう遅い。現に俺の右頬には腰の入った右ストレートがとっくに叩き込まれていたからだ。
ふーっ、ふーっ、と獣のような息を漏らす先輩がゆらりと顔を上げると、あの時とおんなじ心底醜くて嫌いなものを見る瞳が俺を見つめていて。
「……あっそ、そりゃあ良かったな。ブッチョみたいな完璧超人にはさぞ俺みたいなクズは羨ましかっただろうからさぁ。」
ぎゅっと細められた目、倒れた俺を見下す目、心底俺に呆れたという目、"期待して損した"と雄弁に語る__。
「俺帰るわ。」
荒々しく顔を背けたまま遠のいていく背中に、俺はなにか、なにか声をかけないと、謝らないと、ごめんなさい。
後悔をやり直した世界で完璧に戻った俺。そう完璧に戻ったはず。はずなのに、どうして俺は動けない?声が出ない?俺の言うことをどうして俺が聞かない?
周りの人達がザワザワと俺を囲んで、みんなが俺を見ていて、俺を__俺を見てる。完璧じゃなくてどうしようもない愚図で鈍間で愚鈍で醜悪な俺だったせいで、また取り返しのつかない失敗を犯した俺を。
「……ハンシン?」
キィがふわりと目の前に浮かび上がる、その真白を認めて視界がクリアになる。そうだ、やらなくちゃいけない事がたくさんあるのだ。
まずは先輩に謝らなくちゃいけない、たとえ許して貰えなくてもせめて帰宅部の活動では円滑に動いて貰えるように頼み込まなくてはいけないし、まりえちゃんを助けるためにはもう少し経験を積まなくてはいけないから休みの日に集まってもらわなくちゃいけないし、隣のクラスの長谷川に頼まれた喧嘩の仲裁も、必要な物資の買い出しも、明日の学校も、たくさん頑張らなくちゃいけないのだから。
そう、頑張らなくちゃいけない。自分を奮い立たせてまずは買い出しに向かうべくキィトレインに乗り込んで、頑張ろうとしたその一歩でズルりと床へとへたり込んでしまった。流れるように自重を支えきれなくなり床へと倒れる形になる。なんだか笑けてきて爆笑したらとうとうキィが物凄く焦り始めたので、宥めてやろうと頭を抱きこんだらバーチャドールのくせに暖かくてまたウケてきた。
「ちょ、せめて寝るなら座席にだな……。…………いや待てハンシン、おまえ泣いてるのか?」
泣いてなんかない。まったくバーチャドールって奴はどいつも中途半端にこころを分かったような口を聞く。だからきらいだ。きらいだったんだ。
「ハンシン……き、きっとコバトも許して……はくれないかもだが。だが!アイツもそこまで物分かりの悪い奴では……。」
なにも覚えてなきゃコイツのことを恨むだけで済んだのに。なにも覚えてなきゃ部長なんてやらなくて良かったのに。
__なにも覚えてなきゃ、アイツみたいにただただ怒りに身を任せて何もかも嫌いになれたのに。裏切られた、だなんて見当違いな怒りをぶつけなくて済んだのに。
「……明日から、もっと頑張らなくちゃな。」
滑らかな頬を撫で上げ、指通りの良いつややかな髪を梳くようになでてやっても、キィはずっと不機嫌な顔のままで。
どうしたもんかなー、と考えながら目を閉じた。
・・・
あなたは物語の先のエピローグの、更にその先を見たことはあるだろうか?
本来は語るべくも無い蛇足というべき物語。端役のモブのその先が描かれてしまったとしたら、それはどんなにつまらなくて無意味な物なのだろう。
これは語るべくも無いエピローグだ。けれど同時に何者でもなかった彼等に与えられた新たなプロローグでもある。
惨めったらしく縋りついたその先に待つものが新たな地獄でしか無いとしても、彼に最初から拒否権なんて無かったのだから。
だから、そう。ここから書き出すのは新たな物語。あの日死んだ理想を取り戻し再び現実に帰還する、新たな"主人公達"の物語である。
・・・
記憶の消去がうまくいって無かった元メビウス一般生徒の二代目部長
事あるごとに初代のことを思い返しては自分と比べてネガティヴになってる。もちろん二代目も充分がんばってるけど本人は自分は相応しくないと思っている。
自身の能力は低いのに完璧を求めてしまうギャップに苦しんでいた。なんとかやり切ろうとしても時間が足りず、周囲の人間が簡単に合格点を出して先に進んでいくのに焦りと悔しさを抱えて生きていた。
そんな時にメビウスへと招かれて、なに不自由なくこなせる完璧な学生生活を享受していた。が、帰宅部の帰還とともに二代目も現実へと帰還。その際にメビウスの記憶も持ち帰ってしまい鬱屈としたまま半引きこもりのような生活を続けていた。
その後悔を認められてリドゥへと招かれてしまう。
「俺は小鳩が羨ましい。」の一言で小鳩に本気でぶん殴られる所から始まる、メビウス記憶消去失敗二代目部長のキャラエピ(概念)物語。
病院あたりで二代目のストレス値の限界が来てて、休みの日に小鳩と楽しく出歩いてたのにぽろっと口からこぼしてしまった。もちろん小鳩の逆鱗に近いだろうから普通にマジのキレをする。そりゃそう。
二代目は過去を聞いた時から本気で小鳩のことを羨ましく思っていた。それまではリドゥで楽しくやってたい人か〜わかるなぁ、くらいに思ってたから自分と同じ立場でありながら辛い事を忘れられていたという事に嫉妬していた。それと同時に小鳩先輩の自分の感情や考えをきちんと表に出せるところを尊敬している。周囲に遠慮して譲ってばかりで居たら、いつの間にか自分がどうしたいかを考えられなくなっていたため。
小鳩先輩にとっては割と特別な方のかわいい後輩枠だった。歳近いんだろうなって話題のチョイスとか、大勢でいる時は盛り上げて楽しむけど、2人きりだと物静かで落ち着いてるとことかが好みだった。
割と気を許していた(キャラスト踏込済)なのもあって、素に近い2人での時に言われたのもあって余計に裏切られたと思ってしまった。
・部長の経歴捏造(メビウス記憶持ち)
・ほぼ匂わせポエム
昔書いてた主♂こばのポエムです。
「俺は小鳩が羨ましい。」の一言で小鳩に本気でぶん殴られる所から始まる、メビウス記憶消去失敗二代目部長のキャラエピ(概念)物語。(続かない)
なんでも許せる方のみどうぞ
・・・
言ってしまったと、後悔した時にはもう遅い。現に俺の右頬には腰の入った右ストレートがとっくに叩き込まれていたからだ。
ふーっ、ふーっ、と獣のような息を漏らす先輩がゆらりと顔を上げると、あの時とおんなじ心底醜くて嫌いなものを見る瞳が俺を見つめていて。
「……あっそ、そりゃあ良かったな。ブッチョみたいな完璧超人にはさぞ俺みたいなクズは羨ましかっただろうからさぁ。」
ぎゅっと細められた目、倒れた俺を見下す目、心底俺に呆れたという目、"期待して損した"と雄弁に語る__。
「俺帰るわ。」
荒々しく顔を背けたまま遠のいていく背中に、俺はなにか、なにか声をかけないと、謝らないと、ごめんなさい。
後悔をやり直した世界で完璧に戻った俺。そう完璧に戻ったはず。はずなのに、どうして俺は動けない?声が出ない?俺の言うことをどうして俺が聞かない?
周りの人達がザワザワと俺を囲んで、みんなが俺を見ていて、俺を__俺を見てる。完璧じゃなくてどうしようもない愚図で鈍間で愚鈍で醜悪な俺だったせいで、また取り返しのつかない失敗を犯した俺を。
「……ハンシン?」
キィがふわりと目の前に浮かび上がる、その真白を認めて視界がクリアになる。そうだ、やらなくちゃいけない事がたくさんあるのだ。
まずは先輩に謝らなくちゃいけない、たとえ許して貰えなくてもせめて帰宅部の活動では円滑に動いて貰えるように頼み込まなくてはいけないし、まりえちゃんを助けるためにはもう少し経験を積まなくてはいけないから休みの日に集まってもらわなくちゃいけないし、隣のクラスの長谷川に頼まれた喧嘩の仲裁も、必要な物資の買い出しも、明日の学校も、たくさん頑張らなくちゃいけないのだから。
そう、頑張らなくちゃいけない。自分を奮い立たせてまずは買い出しに向かうべくキィトレインに乗り込んで、頑張ろうとしたその一歩でズルりと床へとへたり込んでしまった。流れるように自重を支えきれなくなり床へと倒れる形になる。なんだか笑けてきて爆笑したらとうとうキィが物凄く焦り始めたので、宥めてやろうと頭を抱きこんだらバーチャドールのくせに暖かくてまたウケてきた。
「ちょ、せめて寝るなら座席にだな……。…………いや待てハンシン、おまえ泣いてるのか?」
泣いてなんかない。まったくバーチャドールって奴はどいつも中途半端にこころを分かったような口を聞く。だからきらいだ。きらいだったんだ。
「ハンシン……き、きっとコバトも許して……はくれないかもだが。だが!アイツもそこまで物分かりの悪い奴では……。」
なにも覚えてなきゃコイツのことを恨むだけで済んだのに。なにも覚えてなきゃ部長なんてやらなくて良かったのに。
__なにも覚えてなきゃ、アイツみたいにただただ怒りに身を任せて何もかも嫌いになれたのに。裏切られた、だなんて見当違いな怒りをぶつけなくて済んだのに。
「……明日から、もっと頑張らなくちゃな。」
滑らかな頬を撫で上げ、指通りの良いつややかな髪を梳くようになでてやっても、キィはずっと不機嫌な顔のままで。
どうしたもんかなー、と考えながら目を閉じた。
・・・
あなたは物語の先のエピローグの、更にその先を見たことはあるだろうか?
本来は語るべくも無い蛇足というべき物語。端役のモブのその先が描かれてしまったとしたら、それはどんなにつまらなくて無意味な物なのだろう。
これは語るべくも無いエピローグだ。けれど同時に何者でもなかった彼等に与えられた新たなプロローグでもある。
惨めったらしく縋りついたその先に待つものが新たな地獄でしか無いとしても、彼に最初から拒否権なんて無かったのだから。
だから、そう。ここから書き出すのは新たな物語。あの日死んだ理想を取り戻し再び現実に帰還する、新たな"主人公達"の物語である。
・・・
記憶の消去がうまくいって無かった元メビウス一般生徒の二代目部長
事あるごとに初代のことを思い返しては自分と比べてネガティヴになってる。もちろん二代目も充分がんばってるけど本人は自分は相応しくないと思っている。
自身の能力は低いのに完璧を求めてしまうギャップに苦しんでいた。なんとかやり切ろうとしても時間が足りず、周囲の人間が簡単に合格点を出して先に進んでいくのに焦りと悔しさを抱えて生きていた。
そんな時にメビウスへと招かれて、なに不自由なくこなせる完璧な学生生活を享受していた。が、帰宅部の帰還とともに二代目も現実へと帰還。その際にメビウスの記憶も持ち帰ってしまい鬱屈としたまま半引きこもりのような生活を続けていた。
その後悔を認められてリドゥへと招かれてしまう。
「俺は小鳩が羨ましい。」の一言で小鳩に本気でぶん殴られる所から始まる、メビウス記憶消去失敗二代目部長のキャラエピ(概念)物語。
病院あたりで二代目のストレス値の限界が来てて、休みの日に小鳩と楽しく出歩いてたのにぽろっと口からこぼしてしまった。もちろん小鳩の逆鱗に近いだろうから普通にマジのキレをする。そりゃそう。
二代目は過去を聞いた時から本気で小鳩のことを羨ましく思っていた。それまではリドゥで楽しくやってたい人か〜わかるなぁ、くらいに思ってたから自分と同じ立場でありながら辛い事を忘れられていたという事に嫉妬していた。それと同時に小鳩先輩の自分の感情や考えをきちんと表に出せるところを尊敬している。周囲に遠慮して譲ってばかりで居たら、いつの間にか自分がどうしたいかを考えられなくなっていたため。
小鳩先輩にとっては割と特別な方のかわいい後輩枠だった。歳近いんだろうなって話題のチョイスとか、大勢でいる時は盛り上げて楽しむけど、2人きりだと物静かで落ち着いてるとことかが好みだった。
割と気を許していた(キャラスト踏込済)なのもあって、素に近い2人での時に言われたのもあって余計に裏切られたと思ってしまった。
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