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1回ものシリーズ

「ー藤壺様、具合の方は」
ーああ、なんて愚かな愛おしい光の姫。
「藤壺様……?」
ー其之方は、予を男として見てくれぬ!
「ご心配のあまり、押しかけて申し訳ありません……やはり帰ります……」
「ー行くな!」
気付いたら、御簾外に出て姫の手を握っていた。
姫は、数年ぶりに見る変わらぬ藤壺の顔に息を飲む。
「ー行くな、綾子」
自分と姫しか知らない名を口にすると、姫は打ち解けたような、しかし躊躇う表情を見せた。
藤壺は自分の懐に姫を引き寄せる。
「其之方を愛している……」
藤壺は、姫の顎を掬い上げ口付けを贈った。
「綾子……」
「いけませぬ、藤壺様……!」
なおも逃げようとした姫を、藤壺は男本来の力を発揮して封じ込めた。
「ーこれは夢だ、予が綾子を恋い慕うあまりに見た夢だ……」
藤壺は、姫を自分の部屋の御帳台に連れ込み押し倒す。
「ああ、予は綾子を愛している!」
「あ、あ……こんなこと……いけませぬ……藤壺様……」
「ー義輝、と」
藤壺は自分の名を、愛する綾子へと告げた。
「ー今宵の予と其之方は、ただの男と女だ」
義輝は、綾子をきつく抱きしめた。
「あ、あ……!」
「ー愛している……!」
義輝は、綾子の鮮やかな紅梅の襲を脱がしてゆく。
「おやめください……藤壺様……」
綾子は、義輝の手から懸命に逃れようとする。
しかし、逃げようとすればするほど衣は脱げていく。
「ーああ、若く……美しい滑らかな身体だ」
義輝は優しく綾子の肌に指を這わせる。
「この肌に別の男が触れている……と考えると頭が狂いそうになるな」
義輝は、やんわりと綾子の胸を骨ばった指で包み込む。
「いや…いやっ…!久秀様…!」
「……!!」
その瞬間、義輝の動きが止まった。
「ー誰だ、それは」
「あ、あっ……」
紅い瞳が、一瞬で怒りに染まる。
「……予以外の者に名を教えられたなど許さぬ!!!」
義輝は、綾子の胸の頂に歯を立てた。
「いやぁぁっ……!」
「其之方は予だけを見ていれば良い、聞けば正室とも仲は良くないとか。其之方の母上が心待ちにしている子も、一体いつできるのやら」
義輝は、綾子と深い口付けを交わす。
「予が其之方の亡き父の寵愛の身代わりになどならねば……!」
義輝は、身を引いて綾子の爪先に口付けた。
「ー其之方だけに種を捧げ、其之方だけに、傅けたものを」
「あ、あ、藤壺、さま……」
綾子は、義輝の激情に背徳意識を麻痺させられてゆく。
「ー義輝だ」
「よしてる、さま」
「綾子」
「義輝様……」
綾子は、恐る恐る義輝の背に手を伸ばした。
それに応えるように義輝は、優しく綾子を抱きしめて口付けする。
「いっそ後朝の際に逃げてしまおうか」
2人の最後の隔たりである衣を脱ぎながら、義輝は鷹揚に笑う。
「義輝様となら、構いませんわ……ずっといてくださるなら」
綾子は、かつての少女の頃のように義輝に微笑む。
「ー可愛いことを言ってくれる」
「……義輝様がここまで私を愛してくれているなんて……」
「ーこの世の誰よりも愛しているという自信がある」
綾子の横に横たわり、義輝は綾子の一糸纏わぬ姿を見て年月を感じる。
「ー其之方は……母よりも、誰よりも……美しくなった」
「義輝様……」
「ー愛おしい……愛している」
義輝は、身を起こして綾子のやんわりと豊かな乳房を愛撫する。
「あっ……義輝様……!」
「実にふくよかだ……揉んでいるとますます愛おしくなる」
そして、硬くなった頂を口に含む。
「きゃあっ……!」
「ー先程は痛くしてしまっただろう、すまぬ。子を育てる大事なものであるのに」
義輝は飴を舐るように舌を動かす。
「……堪らないな……」
「義、輝様ぁ……」
綾子は先程から当たっている義輝の熱い部分を避けるように身をくねらせた。
「……ん?……男の欲を見たり、其之方の中に入れるのは初めてではなかろう」
わざとらしく義輝は綾子の耳元で囁く。
「そ、それ、は……」
恥ずかしくなり、綾子は目を伏せる。
義輝は、ゆっくりと綾子の入り口に己の指を這わせて行き来しながら、
「ー其之方のこの狭隘ながら淫らに男を咥える蜜壺にあらゆる男共は惑わされ……性を絞り尽くされるのだ」
と、言ってそのままグッと綾子の蜜壺に骨張った己の指を入れた。
「ああっ……!」
「ーふふ……想像以上に、心地よいな」
義輝は吐息交じりの声を出す。
綾子は、それだけで軽く身を震わせて義輝を更に食い締める。
「あ、あ、義輝様の指……3本……入ってるぅ……」
「3本……?ああ……綾子の蜜壺は、まだ予のことを知らぬのか。良いか、綾子……これが予の3本だ」
義輝は、綾子の中に入れている人差し指と中指に薬指を増やした。
「……っぁあ!?あ……???」
更に中を押し拡げられ、綾子は混乱する。
「……ふ、ふ……可愛らしい。だが、他の男にも振りまく愛想だと思うと……妬けるな」
義輝は、綾子に口付けてから中に入れた指を出し入れする。
ー敢えて、派手に音を立てさせて。
「や、いやっ!義輝様っ……音立て……!」
「綾子の蜜壺に予以外の男を忘れさせるには、予の身体の形と味をしっかと覚えさせねばなるまい」
赤い瞳でしっかりと綾子を捉えながら、義輝は綾子の中に自分を教え込んで行く。
「あっあ……あっ……藤壺様、義輝様ぁっ……!」
綾子が絶頂に至ろうとする寸前、義輝は指を引き抜く。
「……!?」
そして義輝は、身体をどけて綾子の身体を月明かりに照らさせた。
「ああ、なんと美しい……」
ヒクヒクと妖しく濡れ動く蜜壺の入り口が、更に月明かりを浴びることで色気を増す。
「……あ、あ……」
ー輝く月光の姫、輝く日の宮。
綾子は自分の姿を自らの守護者たる月に見せ付けられているような気がして足を閉じようとするが、義輝に足首を持たれて阻まれた。
「さぁ、綾子よ……どうする?」
義輝は、拒否を許さないような声を出す。
「……酷い方……」
「ーああ、予は酷い男だ……」
綾子と義輝は、どちらともなく口付けをする。
「……義輝様、入れてくださいませ……」
「ーどこにだ?」
義輝は、意地悪く笑う。
それでなんとなく意図を察した綾子は、恐る恐る自らの手を蜜壺の入り口に這わせて義輝の前に女芯を晒し、
「……この……数多の男を惑わしてきた……卑猥な……女の蜜壺に……義輝様の……熱い……御証を……」
と、たどたどしく述べる。
「予のを?」
「どうか……入れ、あああっ!!!」
言い終わる前に、義輝が綾子を貫いた。
「ああ、堪らぬ……!なんと心地の良い……幾度、この蜜壺を思い自らを慰めたやらな……」
「ひ、あぁぁぁ……」
「ー容赦はせぬ、予と共に壊れてしまえ」
義輝は、綾子の腰を掴んで征服しにかかる。
「あんっ……あっ……!」
「綾子……!綾子っ……!!!」
「義輝様ぁっ……!!!」

切なげな、しかし愛おしげな声が、秘密の夜に響き渡った。
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