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1回ものシリーズ


「そうだエステル。そしてこの呪文を唱えればフュルフュールは来てくれるであろう」
「はい、お師匠様」
エステルの師匠であるアンドレア=ダ=グイチャルディーニは「最強の悪魔召喚士」の呼び声が高く、王国第一の顧問魔術師だった。
そんなアンドレアが自らの後継者として選び出したのは、なんと今にも死にそうだった街の孤児であるエステルだった。
当初は国王でさえも彼女を後継者とすることに反対したが、アンドレアが頑として「エステルを我が後継者に」と言い張ったため、国王が折れる形で認めたのだった。
しかし、エステルはあらゆる人々の予想を遥かに上回る才能を発揮し、今やアンドレアの代わりに軽度の仕事を請け負うまでの実力を有していた。
「ふむ、これで大方の七二柱は呼び出せよう。四界王はまた今度、改めて彼らにお前の紹介をしてから練習をするとしよう」
「ありがとうございます、お師匠様」
「――ふむ、では私は今から国王陛下に会ってくる。くれぐれも、無理に呼び出そうとはするなよ」
「はい、分かっております」
アンドレアは、それを聞いてから工房を出て行った。
「……そうだ、夕食のハーブを摘まないと」
エステルは本を閉じてから外出の準備をする。
基本、エステルは男装するようにとアンドレアから言われている。
――お前も「両性具有」と言った方がいいだろう。
女性でありながら男性社会で生きていくには、それが一番だと教えられた。
「――よし!」
エステルは帽子をかぶった後にバスケットを持って外に出ようとした瞬間、突如背後から凄まじい風が吹き、エステルは壁に叩き付けられる。
「いたっ……!」
その衝撃で頭を打ってしまい、エステルは意識を失ってしまった……。

******

しばらくして、エステルはようやく目が覚めた。
「んぅ……」
「――起きたか、我が妻よ」
「……え!?」
突如告げられた言葉に、エステルは慌てて起き上がる。
「――ふふ、ようやく見つけたぞ」
声のする方を見ると、この世の存在ではないような程の美貌を持った赤髪赤瞳の男性が自分をウットリとした目で見つめている。
「……あなた、誰……?」
ただならぬ恐怖感を感じてエステルは後ずさるが、すぐ壁に背が当たる。
「――なんと、覚えておらぬのか。……いや、予達の愛の記憶は……そなたが仮初の不完全な肉体を持った時の記憶に入りきらぬのも致し方ないことか」
「??え??」
「……やれやれ、アンドレアの許しをずっと待っていたのにこの仕打ち……妻よ、覚悟はできていような?」
そういうと、その男性はエステルをベッドに押し倒してキスをした。
「……え?!い、いや……やめて……!!」
エステルは必死に抵抗するが、彼の信じられない力に成す術がない。
「エステル……」
「いや……!!処女じゃなきゃ、お師匠様みたいに悪魔を呼べないの……!!許して……!!」
エステルは涙を流しながら男性に請う。
「……!!はっはっは!!これはアンドレアも面白い嘘をつく」
その男性は、エステルの訴えを聞いて何がおかしいのか笑い出す。
「……だからお願い、帰って……」
「処女よりも、予に抱かれた方がもっともっと高位の悪魔を呼べるぞ?予は義輝――またの名をルシフェル――魔界の王たる男、そして其之方の夫」
「ルシ……フェル……?まさかそんな……高位の悪魔がなぜ……お師匠様のお呼びなしでこの世に顕現できているの……?」
「それが其之方が予の妻たる所以よ、肉体を持たせてこの世界に転生させたのは予の望みであったからな。予の世界とこの世界の懸け橋となる存在が――予は、妻と一瞬なれど別れてでも……欲しかったのだ」
義輝と名乗った男性は、エステルの着ていた服を容赦なく引き裂いて肌を露わにさせる。
「いやあぁぁ!!」
「嫌がる妻を抱くのもまた一興だが……妻の泣き顔は堪える」
義輝は、自らの指先を犬歯で少しだけ食い破って血を出して、その血をエステルの口に含ませた。
「……!?」
すると、自分よりも数段美しい女性が義輝に抱かれながら恍惚に浸っている姿が脳裏に再生される。
――ああ、義輝様。エステルは幸せにございます。
女性は甘い声交じりに自分の名前を言いながら義輝からの快楽を享受している。
「――人間の肉体になっても、寵愛してくださいませ」
いつしか、女性と同じ言葉が自分の口から溢れ出ていた。
エステルは、ハッと口を押えた。
悪魔の前で下手な事を言うと、何をされるか分からないからだ。
義輝はエステルのその言葉を聞いて意地悪い笑みを見せる。
――かかったな、我が妻よ。
満足そうに細められている赤い瞳は、そう言っているようだった。
「い、いや……」
「本当に嫌なのか、エステルよ」
義輝は、エステルの年齢の割にふくよかな胸のふくらみを揉む。
「――ふふ、肉体を得てもなお予の手に余る乳房とは」
「あ、ああ……おやめください……」
そうは言いつつも、嬉しいと思う自分がいる。
――血を飲んでから、おかしい……。
「エステル」
義輝はエステルの耳に舌を這わせる。
「……ひぁっ!?」
「恐れずに、全て予に曝け出せ。肉体の未熟さすらも、予には愛おしいのだぞ」
「そんな……そんな、あなた様にこの未熟な身体を見られるのが恥ずかしいのでございますのに……違う、そんなこと……思ってない……!」
エステルは、血を飲んで以来脳裏にいる「もう一人の自分」に主導権を渡すまいと必死だった。
「――根気よくせめぎ合っているのか……ふむ、では先に契約の印をつけてしまおう」
そう言うと義輝は、自ら身に付けている服の飾緒を惜しげもなく引きちぎってエステルの手首を縛り上げた。
「……あ、いやだ!!嫌だ!!」
義輝は、エステルの脚を持って秘められた場所を暴く。
「美しい……いつ見ても愛おしいものよ」
感嘆のため息をついてから、義輝は膨らみつつある花芽を指先で引っ掻いた。
「……っあああ!!」
エステルは、見知らぬ感覚に身を震わせる。
「はは、初心な妻も可愛かったと思い出させてくれるな」
義輝は一度エステルとキスをして首筋、胸、腹、そして花芯へと舌を滑らせていく。
「い……いや、お願い……そんな場所……」
「すまぬが、それは聞けぬよ」
義輝は、グッとエステルの蜜壺の入り口を拡げた。
「……やだぁ!!見ないで……!!」
「はぁ……もうこんなに美味そうな蜜を垂らして……据え膳を食わせるつもりか、我が妻よ」
「あ……いえ……!!しかし、いくらお食事の時だとはいえ……そのようにまじまじと見られるのはいつでも恥ずかしゅうございます……違う!!違うから!!」
「我が妻よ、そうだ、予は腹が減っている」
義輝は、そう言うと躊躇なくエステルの滑る花芯に舌を這わせた。
敢えて派手に音を立てて、エステルの下の口とキスを交わすような錯覚を覚えさせる。
「あ……ああぁ……」
エステルは、義輝の舌の唾液が自分の粘膜に吸収されていく度に懐かしき魔界での交合を思い出し更に蜜を溢れさせる。
――私は、この人の妻だった。
アンドレアが義輝を呼ぶ際の条件に、義輝はエステルの受肉を提示したのだった。
アンドレアは名実ともに「最強の悪魔召喚士」になる向学心のために自分を見つけて育て上げたのだ。
エステルは、アンドレアのことを思い出して涙を流す。
忌み嫌われる悪魔にここまで尽くしてくれたアンドレアに、感謝しきれない。
「――義輝様、アンドレアに最大の恩恵を施してあげてくださいませ」
「……!!」
義輝は、思わずエステルの顔を見る。
「ああ、義輝様……またこうして抱いてくださいませ」
「嫌と言うても、抱いてやるさ」
義輝はエステルの恥骨の上に、自らの召喚を容易にさせるための印を刻んだ。
「このような所に……恥ずかしいです……」
「予しか見ぬのだから、いいであろう?」
「それはそうですが……感度が上がる印をこのような場所に……」
「試してみるか?」
義輝は、十分潤っている蜜壺に己のそそり立つ欲望を埋めて行った。
「あぁぁぁぁ!!大きいぃ……」
十分慣らしたが、義輝の欲望のあまりの太さにエステルの処女膜は耐え切れず、シーツに破瓜の血が流れる。
「あ……あぁ……」
「――痛いか、エステル?」
「すぐに……慣れまする……あぁ……私は、義輝様の妻となるべく生み出された悪魔なのですよ……?」
「それでも、人の肉体故不自由があろう」
義輝は、優しくエステルを抱き締める。
「んっ、んっ……印がいい方向に働いて……ほら、締め付けも……」
エステルは、わざとらしく義輝を中で締め付ける。
「……っつ!!」
「ああ……私、処女なのに、印のせいでこんなに淫らなカラダになってしまいました……」
恥じらうエステルに再び意地悪そうな笑みを見せ、義輝は身体の位置を反転させてエステルが動かなければ快楽を得られない体位にした。
「……ならば、魔界の王たる予の妻である悪魔らしく全力で予を満足させよ」
「――はい、義輝様」
エステルは、かつての感覚を思い出しながら腰を動かす。
しかし、ろくな運動もしてこなかった硬い人間の身体は、すぐに疲れてしまう。
更に、義輝の大きな欲望の塊を受け入れ続けるのは、いくら印があるとはいえ、処女を失いたての身体には苦痛なことになりつつあった。
「はぁ……はぁ……」
「――妻よ、大丈夫か?」
「は、はい……」
「――無理をするな、今日はもうよい。予がイかせてやるから」
義輝は身体を起こすと、エステルの腰を持って最奥へと欲望を打ち付け始めた。
「あぁ!!義輝様、義輝様ぁ……!!」
エステルは義輝から与えられる快楽に溺れる。
「エステル……エステル!!」
義輝はエステルが絶頂に達した直後に、並々と自身の精をエステルの蜜壺の中に放った。
エステルの中に納まりきらなかった精が、義輝の欲望の塊を伝ってシーツに垂れる。
「エステル……予の妻」
義輝は、しっかりとエステルを抱き締めてから眠りについた。

******

なおアンドレアは、
「悪魔の情事の後の空間になんて入れると思うか?」
と、今日突如宮廷に泊まり込むことにした理由を同僚の魔術師に聞かれた時にそう答えたという……。
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