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SSのログ

ラインハルトの元帥府にファーレンハイトとエリザベートが招かれて以降、元帥府は以前とは違った空気を纏うようになった。
もちろん、ラインハルトの半身でもあったキルヒアイスがこの世にいないというのがその空気を否が応でも変えることになる前提であるのだが……。
もう一つには、ホーエンツォレルン侯爵家の令嬢でもあり中将の位を有するエリザベートが加わったことにある。
先代皇帝より寵姫への召出しの命があった程の美貌を持ちながら、彼女は軍役へと身を捧げた。
それは貴族の変わった趣味……ではなく実力を兼ね備えて、それを最大限帝国の役に立てたいというものであったから、かなり保守的だったオフレッサーやブラウンシュバイク公などの門閥貴族を除いては、女性初の帝国軍士官という彼女の存在は好意を持って迎えられた。
そして何より…………彼女は、亡きキルヒアイスと共にラインハルトを敵の手から護ったのである。
ラインハルトと再び会った時、エリザベートは彼にどういう言葉をかけたらいいか分からなかった。
そんな彼女にラインハルトは、
「卿は私の命の恩人でもある。今後私の元帥府で思うがままその才能を伸ばし、発揮するといい」
と、鷹揚に答えた。
キルヒアイスのことを言われるのかと思ったエリザベートだったが、彼は心を閉ざすことで立ち直るようにしたのだと察すると、ラインハルトからの追及がない限り、この話をするのをやめた。
対してラインハルトは、それもあって他の上級大将たちに「彼女を気にかけてやってくれ」と将来有望な彼女を気にしているようであった。
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