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「そろそろ約束の時間ね…」
アリア=スタンフォードは、仕事を片付けてベイカーストリート221Bに向かった。
「ーごめんなさい、遅れたかしら?」
時間に厳しいシャーロックを怒らせてはいけないので、階段を駆け足で登った故に、フラットに行くまでにはら軽く息が上がっていた。
「…まだ、30秒早い」
シャーロックはソファに横になって推理をしていたようだった。
「ジョンはいないの?」
「今日は、夜間の担当だそうだ」
シャーロックは、ゆっくりと起き上がる。
「そう…ご苦労様ね…お医者さんは」
「ー君に頼んでいたものは?」
おもむろに手を差し出されて、アリアは目的を思い出す。
「持ってきたわ。どうぞ」
アリアは鞄の中から一冊の本を取り出して、彼に手渡す。
「ありがとう、参考資料を探す手間が省ける。この分野は、好きじゃないからね」
そう言うと、シャーロックはアリアが選んだ神話の本を読み始める。
「私は、あなたが神話に詳しくなかったのが…驚きね」
「今まで、必要なかったから」
「確かに、今回のような事件の方が珍しいかも」
アリアは、あるきっかけでシャーロックと出会い、彼の知らない知識(歴史など)を補う役割を与えられることで、彼と交流していた。
アリアの与えた知識で彼が事件を解決する時は嬉しいし、また彼の推理を聞くのも楽しかった。
いつしか、彼と常にいるジョンと共に彼の捜査に同行したいと思ったこともあった。
ーきっと、私はシャーロックが好きなんだわ。
自分の気持ちに気付くのに時間がかかったのは、アリア自身、そういった経験をしたことがないだけでなく、シャーロックが色事に全く興味がない(と思われる)からだろう。
「あの…」
「どうした、アリア?」
「…やっぱり、何もないわ」
アリアは、“恋人はいるの?”と開けかけた口を閉じた。
「そうか…」
「帰るわね、お邪魔しちゃうといけないから」
先程しようとしていた自分の行動を彼に“読まれる”のが怖いから、#アリア#は急いで帰ろうとする。
「アリア!」
シャーロックは帰り際のアリアの手を握る。
「どうしたの…?」
「アリア…帰らないでくれ」
「えっ…?」
予想外の言葉に、アリアは困惑する。
「原因は分からないが…君がいてくれると、落ち着くんだ」
シャーロックは、そっとアリアの手に唇を落とした。
「君は、最初に会った時よりも綺麗になった」
そう言うと、彼の瞳はアリアを見通す。
「初めて会った時は…手が荒れていたが…。ハンドクリームを使い始めたみたいだね…。なんにせよ、綺麗になった」
「…ありがとう」
「これから、君の都合がついた時は…なんの連絡もしなくていいから、ここへ来てくれないか?」
「どういうこと?」
アリアは、再び言葉に迷わされる。
「その…できるだけ、側に…いてほしい。世間の…カップルのようなことは…できないが…」
どもりながら、シャーロックは言を紡ぐ。
「…いいわ、それでいいのなら」
ーそれだけでも、嬉しいわ。
アリアは、笑顔を見せた。
******
ー一ヶ月後。
「シャーロック…」
ジョンはアリアにべったりなシャーロックにため息をつく。
「君って…」
「ーいいのよ、ジョン」
アリアは、面白そうに呆れるジョンを見る。
「ーアリア」
シャーロックは、優しくアリアにキスをした。
アリア=スタンフォードは、仕事を片付けてベイカーストリート221Bに向かった。
「ーごめんなさい、遅れたかしら?」
時間に厳しいシャーロックを怒らせてはいけないので、階段を駆け足で登った故に、フラットに行くまでにはら軽く息が上がっていた。
「…まだ、30秒早い」
シャーロックはソファに横になって推理をしていたようだった。
「ジョンはいないの?」
「今日は、夜間の担当だそうだ」
シャーロックは、ゆっくりと起き上がる。
「そう…ご苦労様ね…お医者さんは」
「ー君に頼んでいたものは?」
おもむろに手を差し出されて、アリアは目的を思い出す。
「持ってきたわ。どうぞ」
アリアは鞄の中から一冊の本を取り出して、彼に手渡す。
「ありがとう、参考資料を探す手間が省ける。この分野は、好きじゃないからね」
そう言うと、シャーロックはアリアが選んだ神話の本を読み始める。
「私は、あなたが神話に詳しくなかったのが…驚きね」
「今まで、必要なかったから」
「確かに、今回のような事件の方が珍しいかも」
アリアは、あるきっかけでシャーロックと出会い、彼の知らない知識(歴史など)を補う役割を与えられることで、彼と交流していた。
アリアの与えた知識で彼が事件を解決する時は嬉しいし、また彼の推理を聞くのも楽しかった。
いつしか、彼と常にいるジョンと共に彼の捜査に同行したいと思ったこともあった。
ーきっと、私はシャーロックが好きなんだわ。
自分の気持ちに気付くのに時間がかかったのは、アリア自身、そういった経験をしたことがないだけでなく、シャーロックが色事に全く興味がない(と思われる)からだろう。
「あの…」
「どうした、アリア?」
「…やっぱり、何もないわ」
アリアは、“恋人はいるの?”と開けかけた口を閉じた。
「そうか…」
「帰るわね、お邪魔しちゃうといけないから」
先程しようとしていた自分の行動を彼に“読まれる”のが怖いから、#アリア#は急いで帰ろうとする。
「アリア!」
シャーロックは帰り際のアリアの手を握る。
「どうしたの…?」
「アリア…帰らないでくれ」
「えっ…?」
予想外の言葉に、アリアは困惑する。
「原因は分からないが…君がいてくれると、落ち着くんだ」
シャーロックは、そっとアリアの手に唇を落とした。
「君は、最初に会った時よりも綺麗になった」
そう言うと、彼の瞳はアリアを見通す。
「初めて会った時は…手が荒れていたが…。ハンドクリームを使い始めたみたいだね…。なんにせよ、綺麗になった」
「…ありがとう」
「これから、君の都合がついた時は…なんの連絡もしなくていいから、ここへ来てくれないか?」
「どういうこと?」
アリアは、再び言葉に迷わされる。
「その…できるだけ、側に…いてほしい。世間の…カップルのようなことは…できないが…」
どもりながら、シャーロックは言を紡ぐ。
「…いいわ、それでいいのなら」
ーそれだけでも、嬉しいわ。
アリアは、笑顔を見せた。
******
ー一ヶ月後。
「シャーロック…」
ジョンはアリアにべったりなシャーロックにため息をつく。
「君って…」
「ーいいのよ、ジョン」
アリアは、面白そうに呆れるジョンを見る。
「ーアリア」
シャーロックは、優しくアリアにキスをした。