kwmr
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アラームが鳴る前に目が覚める。
隣で気持ちよさそうに眠る顔は、すよすよ なんてオノマトペが付きそうだ。
『寝相が悪いし抱き枕を置きたいから、ベッドは広めがいい』
そう言った名前に合わせて買ったクイーンサイズのベッドは寝室の殆どを占領している。
自分で言う程だからと覚悟していたが、実際は抱いて寝てた筈の抱き枕を寝返りを打つ度に隅に追いやる程度だった。今日は珍しくお行儀が良かったのか、抱き枕を抱いたまま寝ている。
起き上がることもなく寝顔を眺め続けて続けると、閉じている瞼が1度ふるりと揺れてゆっくりと瞼が上がり始めた。
まだ眠いのか、何度も瞬きをしたりギュッと目を瞑ったりしている様はどこか幼く見えてかわいらしい。
「起きました?」
開ききれてない眼がこちらを向いて、手だけでスマホを探し始める。起きたら時間を知りたがる彼女の癖。
「まだ6時前です」
瞬きをして、まだ寝ようよと言う様に布団を被り直す。
起きてから暫くは声を出さない。朝が弱くエンジンがかかるのが遅いことは一緒に暮らし始める前から知っていた。
僕の視線が気になるのか、抱き枕越しに目が合う。
「もう少し寝ますか?」
ほんの少しだけ眉間に皺が寄る。これは考えている時。大方、僕が起きてるから起きてたいって所だろう。
「アラームが鳴るまでまだ時間があるので寝ましょう」
そう言うと、抱き枕を離さなかった腕が開いて、抱き枕を腕の中に置いたまま腕をゆるく伸ばされる。ふむ、邪魔だな。
「君はこっち」
抱き枕を取り上げて僕の背中の方へ押しやると、抗議する様にムッとさせる口に自分のを押し付ける。
少しだけ瞼が上がり、今度は照れるようにでも嬉しそうに目を細めて口の端が少し上がる。
「はい、おいで」
今度は僕が腕を広げればモソモソとゆっくりとした動きで、腕の中に入ってくる。僕の胸に顔を埋めてたっぷり匂いをかいでから、脚をゆるく絡めてくる。
暫くすると寝息が聞こえてきた。
付き合う前上手く寝れないと零し、常に居座っていた隈は、一緒に住み始めてから綺麗に消えた。寝れないとは?と思うほど名前はよく寝る。ただ、僕が飲み会で遅くなった日や泊まり込みで仕事から帰った日は、先に寝ててくださいと言っても起きてるので嘘ではないんだろう。
『拓哉の匂い好き。凄く安心する』
いつかの言葉を思い出して、込み上げる愛しさを伝える様に頭を撫でてから自分も目を閉じた。