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tkrb

成切


「ご指名ありがとうございます。ナンバーワンの燭台切光忠です」
 部屋に入って来たみっちゃんはまるでホストだった。ホストクラブに行ったことはないんだけども。
「えっと」
 しかしなぜ彼はビシっとスーツをキメて、何かオーラをまといながらナンバーワンを名乗っているのだろう。イマイチ状況が掴めない。
「今、色んなごっこが流行っていてね、僕はホストが似合うんじゃないかって言われたんだ」
「なるほど、それで」
「どうだったかな?」
「とてもお似合いでした」
 いや、ごっこが本気すぎる。
とはいえあまりに似合いすぎて思わずドキドキしてしまった。
「そうだ要件忘れるところだった」
 私は彼に話したいことがあって呼び出したんだった。
「僕がかっこよすぎてかい?」
「違う、あまりにも突飛すぎてだよ」
「残念、少しはときめいてくれたと思ったんだけど。どうしたらときめいてくれますか、お嬢様」
 私の手を取ったかと思ったら手の甲にキスされた。
それはそれは優しいキスで、ただただドキドキした。
「今度は執事をイメージしてみたんだけどどうかな?」
 スーツが黒だからか演技が上手いのか、ちゃんと執事に見えるからすごい。
「……どこでそんなわざ覚えたの?」
「秘密。教えてほしければ今夜僕の部屋においで」


(19/04/07)
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