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tkrb

告白


「ねえ、燭台切」
「おっ、みっちゃんでも光忠でもない名で呼ぶなんて珍しいね。それにわざわざ僕のところにくるなんて」
「どうしても話したいことがあって」
「そんな深妙な顔して、何か問題でもあったのかな?」
いてもたってもいられなくて勢いで来たものの、いざ話すとなると緊張する。でもここまで来たんだ、あとには引けない。
「……あのね、好き」
「うん」
「気付いちゃったの、好きだって。これ恋愛感情だって思ったらいてもたってもいられなくなって」
「大胆だなあ。知ってたよ」
「え?」
 待って、なんでそんな平然としてるの? 知ってたとは?
「混乱してるみたいだね。知ってたんだ主が僕を好きでいてくれてるの。だって僕も好きだからね」
「嘘、両想い?」
「そうだねえ、そういうことになるねえ。しかし主は僕の気持ちには気付いていなかったのかな?」
「ごめんなさい、全然気づかなかった」
 私だけが好きだと思っていたというか、それに気付いたのも今さっきだっていうのに。
「はあ、みんなの言う通り鈍感だったわけだ」
「みんなって」
「みんなはみんなだよ。不憫な僕の恋を応援してくれていたんだ。どんなにアピールしても気付いてくれてなさそうだったからね? あらゆるときめき攻撃を仕掛けたつもりなんだけど」
「ああぁぁぁ」
 思い出される数々の攻撃それは今になって私を殴ってくる。
色んな意味で死にそう。
「やっと伝わったのかな? ちょうど今日お花見デートに誘おうと思ってたんだけど、記念にデートどうかな?」
「……行く」
「美味しい野菜が取れたからお弁当作ったんだ。邪魔が入らないうちに行こうか。今すぐ引っ張って行きたいところだけど、身だしなみを整える時間をあげよう。さあ着替えておいで」
「うん、待ってて」
 驚かすつもりだったのに、あんなに緊張したのに負けた感じがして悔しい。手を繋いでみたりなんかしたらドキドキしてくれるかな。


(19/04/07)
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