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inzm

偶然の再会


「鬼道、車」
 そう言って後ろから車が来ていることを教えてくれた佐久間。そんな些細な一言に、俺は月日の長さを感じた。何も変わっていないつもりだったのに……。
 嬉しいという気持ちとそれを寂しく思う気持ちもあって、それは親心のような、いやもっと近い関係なような不思議な感情だった。
「どうかした?」
「いや、ありがとうな」
 立ち止まった俺のほんの小さな表情の変化を見逃さず声をかけてくるあたりは変わらない。懐かしくて心地よい。
 再び歩き出して気付く。相変わらずお前は俺の後ろを歩くんだな。昔と変わらないのも嬉しくて寂しい。だからそっと並んで歩いた。やっぱり隣りにお前がいると安心するわ。


終わり。本当に軽い気持ちですごめんなさい
(14/06/29)
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