..
ずっと会いたかった。やっと会えた。
君を忘れたことないよ。
彼女のそっと髪に触れる。
なぜこんなにも緊張するのだろうか。
彼女の体がピクリと反応する。
怖いよな。俺も怖い。
「大丈夫。目見せて?」
彼女は小さく頷いた。
髪をあげる。
「綺麗」
現れた瞳に思わず声が漏れる。
「もう片方とかわらない」
相変わらずぶっきらぼうだ。
「知ってる」
知ってるけど、いつも隠してて見えないから。
全てがほしいんだ。想いが伝わることも実ることもないからせめて全てが知りたい。
兄だから。
「禁断」
いつから人はそれを禁断と呼ぶようになったのか。
(13/02/13)