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りおさら
少女は一輪の綺麗な桃色の花をたいそう大事に育てていました。
自分のモノにならないはずがないけれど、今はまだ完全には手に入れられていないから、その愛する人の代わりにこの花を大切にしていたのです。
「この花はいつでも手が届くのに貴女には届かない。ねぇどうして?」
花にたっぷりのお水をあげながら少女は話しかけます。愛する人の幸せが一番だから大切な人と結ばれてくれるのはとても嬉しいこと。わかってはいるのです。けれど自分が一番幸せに出来るそう思っているから納得出来ない。
「ねぇいい加減私だけを見てよ、咲羅」
再びたっぷりの水をあげます。
「こんなに愛しているのに」
少女は花を愛おしそうに見つめました。
(14/05/18)
少女は一輪の綺麗な桃色の花をたいそう大事に育てていました。
自分のモノにならないはずがないけれど、今はまだ完全には手に入れられていないから、その愛する人の代わりにこの花を大切にしていたのです。
「この花はいつでも手が届くのに貴女には届かない。ねぇどうして?」
花にたっぷりのお水をあげながら少女は話しかけます。愛する人の幸せが一番だから大切な人と結ばれてくれるのはとても嬉しいこと。わかってはいるのです。けれど自分が一番幸せに出来るそう思っているから納得出来ない。
「ねぇいい加減私だけを見てよ、咲羅」
再びたっぷりの水をあげます。
「こんなに愛しているのに」
少女は花を愛おしそうに見つめました。
(14/05/18)