イリシーまとめ
てんし ※学パロ
「イリヤちゃん、おはよう!」
朝から飛び付いて来て腕を絡ませて来たのはシーリーン。転校して来て最初に声をかけてくれたのが彼女であった。それから勝手に打ち解けた様子の彼女(てんし)はイリヤにベタベタとまとわりつく。でも別に嫌なわけではなかった。
ただどう考えてもイリヤはそのようなタイプではない。だからシーリーンの態度が不思議で仕方なかった。
「ねぇ英語の宿題出来た?」
「あぁ」
「イリヤちゃん頭いいもんね。教室着いたら教えてほしいなぁ」
「あんなの教科書見ればすぐわかるだろ」
「冷たいなぁ」
「私は暑い。離れろ」
「もー」
頬を膨らませて腕を離す。こんなやりとりはいつものことだ。冷たいのによく飽きないものだとイリヤはため息を吐く。
「幸せ逃げちゃうよ?」
「別にいい」
「だめ!」
「何で?」
そんなイリヤも飽きずに可愛い彼女の相手を続けた。
「……」
「イリヤちゃんお疲れ?」
シーリーンにそう声をかけられてイリヤは自分が寝ていたことに気付く。帰り道「一緒に宿題をしよう。教えて?」とシーリーンに言われ、断る理由が思いつかなくて承諾した。そしてシーリーンの家で勉強していた途中に寝てしまったらしい。
「帰り道のお前がうるさくて疲れたのかもしれない」
「ひどい」
「冗談だ。昨日本を読んでて寝るのが遅かったせいだから」
「もーイリヤちゃんの冗談ひどいよ」
「ごめんごめん」
純粋な反応が可愛くてつい意地悪してしまう。関わるのが面倒な時もあるがイリヤにとってどこか安心出来る存在だった。
「ねぇイリヤちゃん」
「うん?」
「そろそろ名前呼んでくれてもいいと思うの」
「ああ……」
出会って最初の会話で「シーちゃんって呼んでね」と言われたが恥ずかしくてずっと呼べずにいた。それに声をかけることはなかったので不便は感じていなかった。
「シーちゃんって呼んでよ」
「どうして?」
「友達! って感じがするから。それになんか距離感じて寂しい」
「……別にそう呼ばなくたって、シーリーンは友達だし特別だよ」
イリヤは泣きそうな目で見つめるシーリーンの頭をポンポンと優しく叩いた。
「えへへ……ありがとう」
天使は嬉し恥ずかしな感じで笑った。
(13/10/14)
「イリヤちゃん、おはよう!」
朝から飛び付いて来て腕を絡ませて来たのはシーリーン。転校して来て最初に声をかけてくれたのが彼女であった。それから勝手に打ち解けた様子の彼女(てんし)はイリヤにベタベタとまとわりつく。でも別に嫌なわけではなかった。
ただどう考えてもイリヤはそのようなタイプではない。だからシーリーンの態度が不思議で仕方なかった。
「ねぇ英語の宿題出来た?」
「あぁ」
「イリヤちゃん頭いいもんね。教室着いたら教えてほしいなぁ」
「あんなの教科書見ればすぐわかるだろ」
「冷たいなぁ」
「私は暑い。離れろ」
「もー」
頬を膨らませて腕を離す。こんなやりとりはいつものことだ。冷たいのによく飽きないものだとイリヤはため息を吐く。
「幸せ逃げちゃうよ?」
「別にいい」
「だめ!」
「何で?」
そんなイリヤも飽きずに可愛い彼女の相手を続けた。
「……」
「イリヤちゃんお疲れ?」
シーリーンにそう声をかけられてイリヤは自分が寝ていたことに気付く。帰り道「一緒に宿題をしよう。教えて?」とシーリーンに言われ、断る理由が思いつかなくて承諾した。そしてシーリーンの家で勉強していた途中に寝てしまったらしい。
「帰り道のお前がうるさくて疲れたのかもしれない」
「ひどい」
「冗談だ。昨日本を読んでて寝るのが遅かったせいだから」
「もーイリヤちゃんの冗談ひどいよ」
「ごめんごめん」
純粋な反応が可愛くてつい意地悪してしまう。関わるのが面倒な時もあるがイリヤにとってどこか安心出来る存在だった。
「ねぇイリヤちゃん」
「うん?」
「そろそろ名前呼んでくれてもいいと思うの」
「ああ……」
出会って最初の会話で「シーちゃんって呼んでね」と言われたが恥ずかしくてずっと呼べずにいた。それに声をかけることはなかったので不便は感じていなかった。
「シーちゃんって呼んでよ」
「どうして?」
「友達! って感じがするから。それになんか距離感じて寂しい」
「……別にそう呼ばなくたって、シーリーンは友達だし特別だよ」
イリヤは泣きそうな目で見つめるシーリーンの頭をポンポンと優しく叩いた。
「えへへ……ありがとう」
天使は嬉し恥ずかしな感じで笑った。
(13/10/14)