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「ホッケ~なんで祝ってあげてないの!?」
「いや、なんでと言われても……」
どうやら俺は大切な人の誕生日を忘れていたらしい。というか忘れていた。昨日なんだかいつもより嬉しそうに見えたのは誕生日だったからか。なるほど納得だ。
「言ってくれればよかったのに」
「自分から言うなんて出来るわけないじゃん」
「そうだよ明星くんじゃないんだから、祝ってとか誕生日プレゼントちょうだい とか言わないよ」
そうか、俺は明星に慣れすぎたようだ。なんて真に受けていたら「ちょっとウッキ~?」「真その通りだけど失礼だぞ」「サリ~までひどい!」なんてコント が始まっていた。ここはツッコむべきだったか。
「そうじゃなくて!」
「そうだな、北斗ぼーっとしてる場合じゃないぞ」
「氷鷹くん頑張って」
ああ、そうだ伝えに行かなきゃ。まだ校内にいるだろうか? 俺は急いでレッスン室を飛び出した。
「いた!」
「どうしたの? 氷鷹くん」
スマホで連絡を取ればよかったと思っていた矢先、本人を見つけ引き止めることに成功した。
「ちょっと話しがあって。……すまない、誕生日をすっかり忘れていた。遅くな ったがお誕生日おめでとう」
「ふふふ、ありがとう」
「何がおかしい?」
思っていた反応と少し違って驚いた。
彼女ならお礼を言ってくれるだろうと思っていたが、もしかしたら忘れていた ことに怒るんじゃないかとも思っていた。あえて言わなかったのだと思っていた場合、最悪の現実を突きつけられたことになる。
「素直というか正直だなあって」
「嘘をついても何もいいことはないからな。ひょっとしたら怒ってるんじゃない かとも思ったが、怒らないんだな」
「祝ってくれると思ってた分ちょっと悲しかったけどね」
「すまなかった。それでだ、誕生日プレゼント何が欲しい?」
誕生日プレゼントくらい前から用意しておけばよかったと後悔した。当日だけでなく直近も含めて忘れていたことがわかってしまう。でも忘れていたものは仕方がない。好きなものをプレゼントしよう。
「え、くれるの? お祝いしてくれただけでも十分嬉しいよ」
天使か。いや、俺が幸せに満たされてどうする。
「お詫びも兼ねて何かさせてほしい」
「んーそうだなあ、いざ何かって言われると出てこないしなんでもいいよ」
「なんでもいいか.……」
そういえば、イチゴが好きだったな。誕生日といえばケーキだし、どこか美味しいショートケーキの食べられるカフェにでも連れて行くか? そうだ、甘党の
「お茶でも行きませんか?」
(19.02.01)
友だちの誕生日記念SS②