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心を込めて
「夏目くん」
いつからだろう、キミがボクのことをそう呼ぶようになったのは。
もうしばらく経つのにまだ名前で呼ばれるとドキッとする。時折やられる「夏目ちゃん」呼びとは違う恥ずかしさがある。
「ライブお疲れ様」
「どうだッタ?」
「今日も最高でした」
地下のライブハウスは危ないから来なくていいと言ってもいつもキミは観に来てくれるね。そして、毎回キラキラした笑顔で褒めてくれる。
「よかッタ」
「ソロ曲は何度聴いても好きだなー。衣装はこの間のイベントのやつだよね? こういうライブでイベントの衣装着るの珍しいね」
「あれだけで終わらせるのはもったいないかラ。そうダ」
ボクは言わなくちゃいけないことがあるんだ。
「うん?」
「明日時間あル?」
「明日? あるよ。レッスンじゃなかった?」
よかった。ダメだったら計画が台無しだ。
「そウ、そのライブのレッスンを見て感想聞かせてほしいんダ」
「え、レッスン私が見てもいいの? 学校でやるんだよね?」
「構わないヨ。いつもちゃんと見てくれてるからネ、そのへんの奴らよりはつかえル」
本当はめちゃくちゃ感謝しているし、そのへんの奴らどころかどんな人たちよりも信頼しているけど素直には言えなくて。明日呼び出すこともずっと前から考えていたのに言い出せずにいた。
「わかった。私でよければ」
「ありがとウ」
さぁ、本番だ。
翌日彼女を連れてきたのは学院の講堂。今日は特別、ちゃんと申請してボクだけ、いやキミのためだけの貸切。
「あれ、レッスンってレッスン室とかじゃないの?」
「本番さながらにやりたいからネ。特等席、最前列のセンターに座ってヨ」
「うん」
「じゃあちょっと待ってテ」
ステージ袖に行って用意していた衣装に着替える。いつだかキミがほめてくれた衣装だ。
「センパイ、頼んだよ」
「わかってますよ」
「ヘマしたら殺すかラ」
釘を刺すと同時、センパイが音楽を流す。
さぁ、ライブのはじまり。
「……!?」
流れたメロディに驚く彼女。
ボクが歌うのはバースデーソングだ。
「少し早いけド、誕生日、おめでとウ」
「お祝いは明後日だと思ってた……」
「当日一緒に居られないの悔しいからネ、サプライズだヨ」
そう、当日は収録が入ってしまった。前後どうにかならないかと思ったけどボクの立場でどうかなるわけもなく、お祝いのケーキを食べに行く約束は翌日に持ち越しになっていた。
「ありがとう、夏目くん……!」
泣くほど喜んでくれるなんて嬉しいね。
「ほラ、泣かなイ。今日はキミのためのスペシャルライブだヨ。まだまだ始まったばかりだからちゃんと見ててよネ」
レッスンを兼ねたライブだけど、子猫ちゃんのためだけに歌うから。
心からの愛を込めて--生まれてきてくれてありがとウ。
(18/01/31)
ぷらいべったーより
友だちの誕生日記念に。
「夏目くん」
いつからだろう、キミがボクのことをそう呼ぶようになったのは。
もうしばらく経つのにまだ名前で呼ばれるとドキッとする。時折やられる「夏目ちゃん」呼びとは違う恥ずかしさがある。
「ライブお疲れ様」
「どうだッタ?」
「今日も最高でした」
地下のライブハウスは危ないから来なくていいと言ってもいつもキミは観に来てくれるね。そして、毎回キラキラした笑顔で褒めてくれる。
「よかッタ」
「ソロ曲は何度聴いても好きだなー。衣装はこの間のイベントのやつだよね? こういうライブでイベントの衣装着るの珍しいね」
「あれだけで終わらせるのはもったいないかラ。そうダ」
ボクは言わなくちゃいけないことがあるんだ。
「うん?」
「明日時間あル?」
「明日? あるよ。レッスンじゃなかった?」
よかった。ダメだったら計画が台無しだ。
「そウ、そのライブのレッスンを見て感想聞かせてほしいんダ」
「え、レッスン私が見てもいいの? 学校でやるんだよね?」
「構わないヨ。いつもちゃんと見てくれてるからネ、そのへんの奴らよりはつかえル」
本当はめちゃくちゃ感謝しているし、そのへんの奴らどころかどんな人たちよりも信頼しているけど素直には言えなくて。明日呼び出すこともずっと前から考えていたのに言い出せずにいた。
「わかった。私でよければ」
「ありがとウ」
さぁ、本番だ。
翌日彼女を連れてきたのは学院の講堂。今日は特別、ちゃんと申請してボクだけ、いやキミのためだけの貸切。
「あれ、レッスンってレッスン室とかじゃないの?」
「本番さながらにやりたいからネ。特等席、最前列のセンターに座ってヨ」
「うん」
「じゃあちょっと待ってテ」
ステージ袖に行って用意していた衣装に着替える。いつだかキミがほめてくれた衣装だ。
「センパイ、頼んだよ」
「わかってますよ」
「ヘマしたら殺すかラ」
釘を刺すと同時、センパイが音楽を流す。
さぁ、ライブのはじまり。
「……!?」
流れたメロディに驚く彼女。
ボクが歌うのはバースデーソングだ。
「少し早いけド、誕生日、おめでとウ」
「お祝いは明後日だと思ってた……」
「当日一緒に居られないの悔しいからネ、サプライズだヨ」
そう、当日は収録が入ってしまった。前後どうにかならないかと思ったけどボクの立場でどうかなるわけもなく、お祝いのケーキを食べに行く約束は翌日に持ち越しになっていた。
「ありがとう、夏目くん……!」
泣くほど喜んでくれるなんて嬉しいね。
「ほラ、泣かなイ。今日はキミのためのスペシャルライブだヨ。まだまだ始まったばかりだからちゃんと見ててよネ」
レッスンを兼ねたライブだけど、子猫ちゃんのためだけに歌うから。
心からの愛を込めて--生まれてきてくれてありがとウ。
(18/01/31)
ぷらいべったーより
友だちの誕生日記念に。