0214


「ンーー甘イ」
口一杯に広がったチョコレートと彼女の愛の甘さに思わず声が出た。
「甘いの苦手だった？」
「そんなことないヨ。美味しい甘さを味わってるんダ」
「よかった」
「特別な魔法がかかってる気がするネ」
そう、今ボクが食べているチョコレートはただのチョコレートではない。彼女の手作りバレンタインチョコレートだ。
「そうかなぁ私的にはちょっと失敗しちゃったなって思ってたんだけど、喜んでもらえてよかった」
「ホワイトデーはとびっきりのお返ししなくちゃネ」
自分で発言に恥ずかしくなって、照れを隠すように悪戯っぽく笑って見せた。


（2018）