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original

夜空に輝く星を彩る-cresta de gallo-


春斗side
 いつからだろう。
 君が自分を傷つけるようになったのは。
 最初はびっくりした。なにが起こってるのか理解できなった。それが当たり前だと思う。
 どうしていいか分からなくて、抱きしめることしかできなかった。僕の腕の中で笑う君を見てそれが答えだと気づいた。
 自分を傷つけるために僕を呼ぶ。
 血にまみれてただ泣く君を僕は抱きしめる。おでこにキスして頭をなでると、君は笑う。
 それから君を手当てする。
「痛くないの?」って聞いたら、「痛くないと生きてる気がしない。春が来てくれたら痛いの忘れちゃうから大丈夫」って言ってた。
 君に必要とされてることが嬉しくて、いつも僕は笑ってる。

 みんな変だって言うけど、最初は普通だったんだよ?
 放課後一緒に勉強して、休みの日はお出かけして。
 初めてお揃いで買ったペアリング。手をつないだ時に絵がそろうように僕は左手、君は右手の薬指にはめた。
 一つになる感じが嬉しくて、無駄に手をつないだりもしたんだよ。


夏side
「ねぇねぇ、この指輪右手と左手にはめて手つないだらさ、絵そろうね!」
 それから手をつなぐ回数増えた。幸せだった。
 だけど、なぜか心にぽっかり穴が開いてて……、
 気づいたら血まみれだった。
 ちゃんと生きてる……そう思うと安心した。
 そしたら春に会いたくなって電話してた。すぐに来てくれて、何も言わず泣くボクを優しく抱きしめてくれた。
 ごめんね、こんなやつで。春がいるのに生きてる気がしなくて。それが言えなくてただただ泣いた。
 傷つけると安心するし、春が抱きしめてくれる。
 ボクを抱きしめる春はいつも笑ってて、それを見てるだけで幸せになれる。ずっと笑ってる春を見ていたい。
 笑顔って人を幸せにするんだよ。だからボクも笑うんだ。


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cresta de gallo(SPN):鶏頭。花言葉は狂愛

12.07.24

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