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遠い夢の中で

幸せな夢の中で、ショッピは永遠に眠り続ける。

優しい仲間、平和な世界、大好きな恋人…この世界は彼の望むものがなんでもあった。
「ショッピくん」と呼ぶ声の主も、誰よりも彼を優先してくれる。
この夢が現実だと思っている彼にとって全ておかしくない…おかしくないはずなのに。

「俺の相棒はショッピくんやから!」

"相棒"に自身を選んでくれる恋人に、違和感を覚えてしまった。
恋人の"相棒"は自身ではなく、もっと別の誰かだったのではなかったのかと…そう思ってしまったのだ。

「…先輩、俺…」
「どうしたんや?ショッピくん」

ショッピが恋人に覚えた違和感を伝えようとしても、無垢な笑顔で振り返られてしまえば何も言えなくなる。
「なんでもありません」なんて言うショッピの嘘に、恋人は気がつくことはない。
だってこれは、ショッピが望んだようになる世界だから。
ショッピが"気が付かないで"と願えば、彼の恋人も誰も、それに気がつくことは無い。
そして……ショッピ自身も、永遠に気がつくことは無い。



「ショッピくん…早く起きてくれや…頼む……ショッピくん……」

現実世界で彼の名前を呼び続ける、本当の"愛する人"の呼び声など。
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