【knut前提kn←pi】あんたの隣には
9回目の人生。これが俺が"俺"として生きられる、最後の人生。
今回は、皇太子とその右腕。
ようやく、ようやくあの人の隣に立てたと、そう思っていたのに。
「俺、隣の国のシャルルと結婚するねん!」
とても嬉しそうにそう告げたあの人の顔は、もう思い出せない。
必死にしぼりだした、おめでとう、の言葉。
幸せになってくださいっす、と本心にもないことを口に出せば、あの人は笑って俺に頼み事をしてきた。
「良かったらシャルルのこと手伝ったってくれや!」
その頼みは本当に残酷だと思った。
だけど、断ることなんてできるわけがない。分かりました…と消え入りそうな声で答えて、俺はあの人の元を離れる。
そして代わりに憎くて憎くて堪らない、シャルルの元へむかう。
あの人に聞いた部屋の扉を開ければ、楽しげに笑うシャルルが居た。
俺に気が付き、嬉しそうに話しかけてくる。
「へぇー、君がショッピくんか!シッマから話は…」
何も知らない顔で、俺の気持ちなんて欠片だって知らない顔でそう言って話し続けるシャルル。
その顔を見てどうして俺だけ、と思ってしまった。
気がついた時には、シャルルの胸元をつかみ怒鳴っていた。
「なんで!あんたばっかり好かれるんすか!!!あの人に!コネシマ先輩に!!!!いつもいつも!!!!山の上でも!1000年でも!!!あの人が待ってんのはあんたばっかり!!!俺の方が!こんなにも……!」
そこまで叫んで、自分が何をしたのか気がつく。
私用で次期妃に掴みかかり、怒鳴ったのだ。
思わず、踵を返し、どこかへ逃げようとする。だがそれよりも早く、近場にいた衛兵に捕まってしまった。
大人しく取り押さえられ、そのまま国王の元へと連れていかれる。
その場で告げられたのは、反逆罪としての処刑。
…その日時は、奇しくもあの人の結婚式の日だった。
今回は、皇太子とその右腕。
ようやく、ようやくあの人の隣に立てたと、そう思っていたのに。
「俺、隣の国のシャルルと結婚するねん!」
とても嬉しそうにそう告げたあの人の顔は、もう思い出せない。
必死にしぼりだした、おめでとう、の言葉。
幸せになってくださいっす、と本心にもないことを口に出せば、あの人は笑って俺に頼み事をしてきた。
「良かったらシャルルのこと手伝ったってくれや!」
その頼みは本当に残酷だと思った。
だけど、断ることなんてできるわけがない。分かりました…と消え入りそうな声で答えて、俺はあの人の元を離れる。
そして代わりに憎くて憎くて堪らない、シャルルの元へむかう。
あの人に聞いた部屋の扉を開ければ、楽しげに笑うシャルルが居た。
俺に気が付き、嬉しそうに話しかけてくる。
「へぇー、君がショッピくんか!シッマから話は…」
何も知らない顔で、俺の気持ちなんて欠片だって知らない顔でそう言って話し続けるシャルル。
その顔を見てどうして俺だけ、と思ってしまった。
気がついた時には、シャルルの胸元をつかみ怒鳴っていた。
「なんで!あんたばっかり好かれるんすか!!!あの人に!コネシマ先輩に!!!!いつもいつも!!!!山の上でも!1000年でも!!!あの人が待ってんのはあんたばっかり!!!俺の方が!こんなにも……!」
そこまで叫んで、自分が何をしたのか気がつく。
私用で次期妃に掴みかかり、怒鳴ったのだ。
思わず、踵を返し、どこかへ逃げようとする。だがそれよりも早く、近場にいた衛兵に捕まってしまった。
大人しく取り押さえられ、そのまま国王の元へと連れていかれる。
その場で告げられたのは、反逆罪としての処刑。
…その日時は、奇しくもあの人の結婚式の日だった。