【knpi】結局貴方は
「先輩は…また、鬱先生を選ぶんっすね」
誰もいないくらい空間、そこで紫彼はそうつぶやく。
甘いタバコの煙を吹かしながら眺める空に浮かぶ大きな画面には戦場を走る鬱先生とコネシマが映っていた。
「…俺は、どの世界でもあの人には勝てないんっすか…?…コネシマさん」
楽しげに走る画面から目を逸らし、タバコの火を消す。
小さくため息を着けば、後ろの扉の開く音と共にうっすらとした光が入る。
「ショッピくん。紅茶、入りましたよ」
「ショッピくん、はやくはやく!」
優しい声に振り向けば、茶の影と黄の影が立っていた。
子犬のような表情をした黄の影の手には茶の影が焼いたのであろうおやつの乗った皿がある。
「そんなやつみとらんとさ!早く食べよーや!」
「冷めたら不味くなりますしね」
そうやって笑うふたりに、今行きますよ、とかえし紫の彼は画面に背を向けて歩み始める。
茶と黄の影の前まで来た紫の彼は扉の横の小さなボタンに指を伸ばした。
そして少し戸惑った後、そのボタンを押し、扉の外へと出る。
バタン、と音を立てて扉が閉まる。
「ショッピくん…よかったん?」
黄の影がそう問いかける。
それはきっと先輩に二度と会えなくなってしまったことについて。
そして、"こちらの世界"の住人になってしまったことについて。
それに紫の影は答える。
「ええ、いいんっすよ……さようなら…先輩」
二度と届かないその声は、完全にしまった扉に吸い込まれ、消えていった
誰もいないくらい空間、そこで紫彼はそうつぶやく。
甘いタバコの煙を吹かしながら眺める空に浮かぶ大きな画面には戦場を走る鬱先生とコネシマが映っていた。
「…俺は、どの世界でもあの人には勝てないんっすか…?…コネシマさん」
楽しげに走る画面から目を逸らし、タバコの火を消す。
小さくため息を着けば、後ろの扉の開く音と共にうっすらとした光が入る。
「ショッピくん。紅茶、入りましたよ」
「ショッピくん、はやくはやく!」
優しい声に振り向けば、茶の影と黄の影が立っていた。
子犬のような表情をした黄の影の手には茶の影が焼いたのであろうおやつの乗った皿がある。
「そんなやつみとらんとさ!早く食べよーや!」
「冷めたら不味くなりますしね」
そうやって笑うふたりに、今行きますよ、とかえし紫の彼は画面に背を向けて歩み始める。
茶と黄の影の前まで来た紫の彼は扉の横の小さなボタンに指を伸ばした。
そして少し戸惑った後、そのボタンを押し、扉の外へと出る。
バタン、と音を立てて扉が閉まる。
「ショッピくん…よかったん?」
黄の影がそう問いかける。
それはきっと先輩に二度と会えなくなってしまったことについて。
そして、"こちらの世界"の住人になってしまったことについて。
それに紫の影は答える。
「ええ、いいんっすよ……さようなら…先輩」
二度と届かないその声は、完全にしまった扉に吸い込まれ、消えていった
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