デフォルトは「水無月咲涼(ミナヅキ キスズ)」となります。
真の恋の道は、茨の道である。
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18.不思議な着ぐるみトリオ。
あれから、イマジン三人、ハナちゃん、私の五人でずーっと話していた。良太郎くんは桜井くんと話したり、愛理さんのお手伝いをしていたからこちらにはあまり来なかった。
愛理さんは夕飯の支度をしてくれている。私も手伝おうとしたんだけど、「お客様の手を煩わせるわけにはいきませんっ」と頑なに断られてしまって……。
そんなわけで、みんなの気の向くまま雑談をしていた。誰が一番強い論争の続きだったり、好きな食べ物の話、苦手なものの話、デンライナーの中では何してるの? とか。
あんまりにも話していたから話題も尽きてきた頃、尾崎さんが何か箱を持ってこちらにやってきた。
「ハナちゃん、咲涼ちゃん! ゲームしよ! みーんな一緒に!」
ゲーム。いいかも。剣を刺して海賊を助けるゲーム、積まれた棒をひたすら引っこ抜くゲーム、何でもいい。みんなでやればきっと楽しい!
私は「いいですね!」と頷いた。尾崎さんは「そうでしょ?」と返し、さらに続けた。
「騒がしくしていれば泥棒避けにもなるし……」
彼がそこまで言ったところで、モモタロスが机をバンッと叩いて立ち上がった。
「俺達は泥棒を待ってんだよ。避けてどうすんだ、避けて」
そう言って尾崎さんに詰め寄る、オオカミの着ぐるみ。ペンギンとゾウがそれに続いて、三人で尾崎さんを囲んだ。もちろん彼は正体の分からない男達に包囲され困惑している。
「あの、初対面ですよね……どうしてそこまで……」
「それに前から思ってたんだけど、ハナさんと咲涼ちゃんに対して随分と馴れ馴れしいよねぇ?」
尾崎さんの言葉を遮るようにウラタロスが圧をかける。かわいそう。
私とハナちゃんは顔を見合わせた。三人とも急にスイッチが入ったから尾崎さんが怖がってる。どうしたらいい?
「言うといたるけど、ハナも咲涼もお前みたいな三個でナンボの軽い男では手に負えんでぇ」
「……はぁ」
溜め息をついたハナちゃんが立ち上がる。ぎゅうぎゅう詰めの四人に近付いていくけれど、尾崎さんは着ぐるみしか見えないし、三人は尾崎さんしか見ていないせいで誰も気付かない。
ハナちゃんは一番近くに居たモモタロスを思い切り押し退けた。「うおっ!?」とよろけたモモタロスはキンタロスとウラタロスを巻き込んで床に倒れ込む。
「尾崎さん! こんなの気にしないください!」
「こんなの!?」
“こんなの”なんて言い方が気になった三人は不服そうに起き上がった。けれどハナちゃんにキッと睨まれ、自発的に床に倒れる。
ハナちゃんは三人を気にした様子もなく、「ゲームしましょ、ゲーム!」と言って尾崎さんと奥の部屋へ行く。
「咲涼さんもやりましょ!」
「う、うん」
倒れる着ぐるみを踏まないように気をつけながらハナちゃんの元へ向かう。図体が大きい! 邪魔!
「……行くのかよ、咲涼」
オオカミがこちらを見た。三人と話したい気持ちはあるし、ゲームもしたい。っていうか行っちゃダメなの?
どうしようか悩んでいたら、愛理さんが「みなさ〜ん」と優しく呼びかけた。
「お夕飯ができましたよ〜! 良ちゃん、桜井くん、手伝って!」
その瞬間、ゲームもお喋りも吹っ飛んだ。ご飯の時間ならご飯が最優先! それはモモタロス達も同じようで、ご飯の合図を聞いた途端に起き上がった。
「私も手伝います!」
用意されたのは素麺。野菜などで星形が飾り付けられていて、とてもファンシー。
めんつゆを用意して、のり、わさび、ねぎ、他にもごまなどの薬味も並べて。
うん、夏はやっぱり冷たい麺だよね。
私達が準備している間、ウラタロスがハナちゃんを呼んできてくれた。みんなで席につき、「いただきます!」と手を合わせたのはいいんだけど……。
「着ぐるみのまま食べれるの?」
ガラスのつゆ鉢と箸を器用に持って準備しているイマジン達。でもさ、麺類はキツくない? それを言うとコーヒーが飲めたのもすごいけど。
「食える食える」
モモタロスは素麺を取りめんつゆにつけ、そのまま啜った。どこからか着ぐるみの中に吸い込まれていく素麺。ふかふかの布地は飛び跳ねてしまっためんつゆを吸って薄っすら茶色くなってしまった。
「怖ぁ」
何で食べれるの。
ウラタロスとキンタロスの方を見ても同じ。二人とも魔法みたいに食を進めている。これ、突っ込んじゃダメなやつだ。
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