束の間
呼ばれたような気がして目を開けると、心配そうな表情で私の顔を覗き込むワタリの顔が。
「ビックリいたしました。仮眠をとると仰るので暫く静かにしていたのですが、いつもの時間を過ぎても目を覚まされないので心配していたところです。どこか具合が悪いのではと」
ワタリの言葉は耳には入ったが、理解するより先に言葉が出た。
「早くNYに帰らなければ。やはりエリ一人では心配だ」
「そうですね。私もそう思っておりました。では出発時間を早めましょう」
夢から目が覚めたようなのですが、何かとても嫌な感じがしました。胸騒ぎと言うのでしょうか。スッキリと目が覚めた感じがしないのです。
夢の中で私は何故か猫になっていて、これまた何故かエリに拾われて、二人っきりでとても楽しい三日間を過ごすのですが、何故か最後の三日目についての記憶がないのです。
夢は覚えていないことの方が多いと聞いたことがありますが、二日目までの出来事ははっきり覚えていて、三日目だけキレイさっぱり忘れてしまったなんてこと、あるのでしょうか?
そして忘れているのに嫌な感じだけが残っているのです。
一体なんなんでしょう?
玄関のドアが開かれ、一人で留守番をしていたエリに迎え入れられましたが、どうしたことか、彼女の目は真っ赤に泣き腫らし、それはかわいそうな状態でした。
どうしたのか聞いても「何でもありません」と言うばかり。一体どうしたというのでしょうか。
彼女にお茶を運ばせたついでに、泣いていた理由を尋ねてみましたが、何でもないと繰り返すばかり。明らかに様子がおかしいのに。
業を煮やした私は強権を発動することに。
何も話さないなら、クビにしますよ、と言ってみたら、驚いたことに「はい」と返事が。それでは私の方が困ってしまいます。
留守中、絶対何かあったはずなのです。
「エリ、私が怖いから何も話さないんですか?」
「……言いつけを守らなかったからです。留守中、絶対に屋敷に誰も入れてはならないと言われていました。でも私……」
「誰か来たんですか?」
「……猫を……」
「今何と?」
「近くで拾った猫を……汚れてとても可哀想で……すみません」
「猫と言いましたか?」
「はい」
信じられません。何だかおかしな事になってきましたよ。
「私が、人の話もロクに聞かず大声で怒鳴りつけたり、頭を小突いたりするような人間でない事はよく知っているでしょう? 怒ったりしませんから、最初からきちんと話して下さい」
「ビックリいたしました。仮眠をとると仰るので暫く静かにしていたのですが、いつもの時間を過ぎても目を覚まされないので心配していたところです。どこか具合が悪いのではと」
ワタリの言葉は耳には入ったが、理解するより先に言葉が出た。
「早くNYに帰らなければ。やはりエリ一人では心配だ」
「そうですね。私もそう思っておりました。では出発時間を早めましょう」
夢から目が覚めたようなのですが、何かとても嫌な感じがしました。胸騒ぎと言うのでしょうか。スッキリと目が覚めた感じがしないのです。
夢の中で私は何故か猫になっていて、これまた何故かエリに拾われて、二人っきりでとても楽しい三日間を過ごすのですが、何故か最後の三日目についての記憶がないのです。
夢は覚えていないことの方が多いと聞いたことがありますが、二日目までの出来事ははっきり覚えていて、三日目だけキレイさっぱり忘れてしまったなんてこと、あるのでしょうか?
そして忘れているのに嫌な感じだけが残っているのです。
一体なんなんでしょう?
玄関のドアが開かれ、一人で留守番をしていたエリに迎え入れられましたが、どうしたことか、彼女の目は真っ赤に泣き腫らし、それはかわいそうな状態でした。
どうしたのか聞いても「何でもありません」と言うばかり。一体どうしたというのでしょうか。
彼女にお茶を運ばせたついでに、泣いていた理由を尋ねてみましたが、何でもないと繰り返すばかり。明らかに様子がおかしいのに。
業を煮やした私は強権を発動することに。
何も話さないなら、クビにしますよ、と言ってみたら、驚いたことに「はい」と返事が。それでは私の方が困ってしまいます。
留守中、絶対何かあったはずなのです。
「エリ、私が怖いから何も話さないんですか?」
「……言いつけを守らなかったからです。留守中、絶対に屋敷に誰も入れてはならないと言われていました。でも私……」
「誰か来たんですか?」
「……猫を……」
「今何と?」
「近くで拾った猫を……汚れてとても可哀想で……すみません」
「猫と言いましたか?」
「はい」
信じられません。何だかおかしな事になってきましたよ。
「私が、人の話もロクに聞かず大声で怒鳴りつけたり、頭を小突いたりするような人間でない事はよく知っているでしょう? 怒ったりしませんから、最初からきちんと話して下さい」