想い
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ー××年○月△日
今日から日記を付けることにした
今日は兄上に魚釣りを教わった
兄上は何時だって僕の知らない世界を見せてくれる
初めて僕が魚を釣ったとき、とても小さな魚だったけれど兄上は僕を誉めてくれた
でも、帰ると何故か兄上は父上に叱られた
魚釣りって本当はいけないことだったのかな?ー
ー××年○月△日
今日はハナちゃんがお屋敷に来てくれた
初めてあったのは2年前
僕は10才でハナちゃんは7才だったかな?
ハナちゃんはとっても優しい
将来はハナちゃんと結婚できたらいいなー
ー××年○月△日
僕は今日からこの狭い小屋で暮らすみたいだ
父上からそう言われた
母上にもそう言われた
兄上は止めてくれなかった
寒い、誰か助けてー
ー××年○月△日
ハナちゃんが来た
でも今日は兄上と二人っきり
僕はここに閉じ込められてる
ハナちゃんの怒鳴る声が聞こえる
兄上と喧嘩してるのかな?
僕を呼ぶ声が聞こえる
うん、ここにいるよ
ガンッと音がして扉が開いた
ハナちゃんが飛び込んできた
“遊ぼう”とハナちゃんは言った
兄上は視線を反らし、目を会わせてくれなかった
小屋の外に朝顔の種を埋めた
兄上にはイベリスの苗を渡していた
“二人の名前と一緒だよ!”と、ハナちゃんが持ってきてくれた
久しぶりの外は楽しかった
兄上は一度も目を会わせてくれなかったけど、また遊びたいなー
ー××年○月△日
ハナちゃんと兄上と埋めた朝顔がやっと花を咲かせたよ
満開で綺麗だったよ
でも、お昼になる頃にはもう花は萎んでいた
ハナちゃんにも見せてあげたかったなー
ー××年○月△日
今日も、ハナちゃんが来てくれた
とっても嬉しかったよ、僕を見た瞬間パァって顔を嬉しそうにして駆け寄ってきてくれたんだから
でも、ハナちゃんは僕の知らない男と喋っていた
それを見た瞬間僕は胸が張り裂けそうになった
本当に、胸が苦しくて、息も出来なくなりそうだった
だからもう止めてね?ー
ー××年○月△日
やっと分かった
何で父上は僕を遠ざけたいのか
何で母上は僕を居ないように扱うのか
何で兄上は冷たくなったのか
僕は父上と踊子の子供みたいだ
母上とは一切血が繋がっていない
兄上とは腹違いの兄弟だった
だからだったんだね
僕の存在は邪魔でしかなかったみたい
それでもハナちゃんはこんなに広いお屋敷でも僕を見つけ出して優しくしてくれている
兄上じゃなくて、僕の方に来てくれる
僕にはハナちゃんしかいない
誰よりも愛してるよ、僕のお姫様ー
ー××年○月△日
君と出逢ってもうすぐ6年が経つね
僕は今16歳、君は今13歳
あと3年だね、子供は何人欲しい?男の子?女の子?
僕は君にそっくりな可愛い女の子が欲しいよー
ー××年○月△日
今日は兄上と喧嘩した
兄上が悪いんだよ
僕の可愛い可愛いハナちゃんを泣かせたりするから
ハナちゃんが泣いてるのを見たら無意識に体が動いたんだ
気がついたら僕は兄上に馬乗りになっていた
ハナちゃんを傷つけるのは誰だろうと許さない、たとえ兄上でも
それでもハナちゃんは“止めてっ、イベリスは何も悪くないの、お願いだからっ”って怯えたような顔をして兄上を庇った
ハナちゃんの為にやったのに…何で喜んでくれないの?ー
ー××年○月△日
ねぇ、何で?
ハナちゃんは兄上と結婚するんだって
ずっと前から決まってたんだって
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
何で?何で僕じゃないの?
兄上がいるから?兄上のせい?
ハナちゃんをこんなに愛してるのに
何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?何で?
ハナちゃんは僕のもの
絶対に誰にも渡さないー
日記はそこで終わっていた
亜「………」
俺はパタンと日記を閉じた
亜「何か、他にも有りそうか?」
瑠「……ううん…ベッドの下ももう何もないし、机も引き出し此れしかない」
亜「…分かった、そろそろ切り上げよう」
瑠「……… 」コクン