想い
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ー亜嵐sideー
亜「な、なんだこれ…」
目的地である小屋に辿り着くと、亜嵐は目の前の光景に衝撃を受けた
亜「何でこんな朝顔が生えてんだよ」
植物の蔓が小屋全体を覆い、花を満開に咲かせていた
月明かりに照らされた花は美しく、不気味だった
瑠「夜に咲いてるから……夜顔じゃない?」
亜「おぉ、確かにそうだな、瑠加は頭良いなぁ」ヨシヨシ
頭を撫でてやると瑠加は気持ち良さそうに目を細めた
可愛いなおい
「そりゃ、夜顔じゃねぇよ、朝顔じゃ」
亜「!あの時の爺さんじゃねーか!」
振り返ると頼んでもいないのに怪談話をおっぱじめるあの爺さんがいた
まあ、俺的には話より家の方が怖かったがな
瑠「…夜なのに?」
「あぁ、ここの元庭師の儂が言うのだから間違いない
その朝顔はな、ある時を境に朝ではなく夜に咲くようになった
しかも、日の当たらない小屋の北側にも花を着けた」
亜「ど、どういうことだよそれ」
「何故かは儂にもわからん
それとな、この小屋を取り壊そうという計画は何度もあったんだがな、全て失敗に終わったんじゃ」
瑠「…?」
「この朝顔じゃ、取り壊すにはこの朝顔を除去しなけりゃならん
だが、こいつが長々しぶとくてな
やっとの思いで剥ぎ取って、よし明日取り壊そうとなって翌日また来るともう蔓が伸びて小屋を覆っているんだ
たった一日でだ、恐ろしいことよ
この小屋は呪われとる」
亜「あり得ねぇ…」
「ま、普通の反応じゃ
あんちゃんも呪われたくなきゃ近づかないことじゃな」
瑠「…中はそのまま?」
「あぁ、誰も中に入りたがらなかったからな、小屋ごと燃やすつもりだったんじゃ
…って、あんちゃん、まさか入る気か?」
瑠「……」コクン
亜「俺らの大事な人を助けられる手がかりが有るかもしれねぇんだ」
「…そうかい、大事な人の為なら仕方あるまい
ただ、長時間居座るのはオススメしねぇ」
亜「おう、気を付けるわ、あんがとな爺さん」
礼を言うと爺さんはヒラヒラと手を振りながら歩いていった
亜「…入るか」
瑠「………」コクン
貰った鍵を鍵穴に指してゆっくり捻る
ガチャ
ギィィィィィィィィィィィイイイ
やはり老朽化が進んでいるのか、扉は凄い音がした
亜「うぉ、げほっげほっ、埃すげぇな」
瑠「……カビ臭い…」
亜「よし、とっとと終わらせよう」
小屋に足を一歩踏み入れた
ギシッギシッ
一歩一歩動くたびに床が物凄く軋む
中にあったのは、寝心地の悪そうな固いベッドと机と椅子だけだった
亜「何もねぇな…アイツ、こんなとこで暮らしてたのかよ…」
瑠「…!…亜嵐」
亜「ん、何か見つけたか?」
瑠加が何かベッドの下から見つけたようだ
…おい、ちょっと待て
男の部屋でベッドの下に在るものなんて1つしかねぇだろ
瑠加だめだ、お前はまだ見ちゃいけない
お前はまだ純粋なままでいてくれ!!!
瑠「……写真」
亜「え?」
瑠「ハナもいる…」
瑠加が見つけたのは写真だった
良かった…
その写真を見ると、真ん中にハナが写っており、その隣にアサガオが、反対には顔をズタズタに切り裂かれた男が写っていた
亜「……コイツが例の奴か?…」
瑠「たぶん…僕も何度か見かけたことある
……遊んだことはないけど」
亜「そうか…机の引き出しも見てみよう」
その写真を上着のポケットに入れ、机に向かう
引き出しを引っ張る
ガタッガタガタ
瑠「…手帳?」
亜「いや…これは日記だな」
引き出しには一冊の手帳のようなものが入っていた
手にとってパラパラと捲って少しだけ目を通す