想い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「近寄ると庶民菌が移るわ」
「一発ヤらせろよ、あいつにもそうやって誘惑したんだろ?」
「早く出ていけば?
スターチス様が貴方なんかを本当に愛しているわけがないじゃない」
ス「すまない、私からも言っておく」
ワ「いいんです、全然気にしてませんから!
それより、スターチスさんお疲れでしょう?
スターチスさんはお仕事頑張ってるんですから私の事なんか気にしないでください」
ス「しかし…」
ワ「私、信じてますから
スターチスさんは私のことを愛してくれてるって
私はそれだけで十分です!」
ス「…すまない」
ーーーーー
ス「昔は今よりも分家の力が強力で我々本家はずっと分家の顔色を伺いながら、少しずつ、少しずつ権力を取り戻してきていた
それをワスレも理解していた
私はそれに甘えた
翌年、ワスレはあの子を身ごもった
私もワスレも人生で一番喜んだ
だが、ワスレは病を患っていた、それもストレス性のだ
それが原因であの子が6才の時に亡くなった」
亜 瑠「………」
ス「ワスレが亡くなった後、私は仕事ばかりしていた
少しでも集中が途切れると何も出来なくなってしまいそうだった」
ス「あの子の世話をする余裕なんて私には無かった
それに子育ての子の字も知らない私より、家事の出来る使用人の方がましだと思った……なんて、苦しい言い訳にしかならないがな」
彼は自傷ぎみに笑った
ス「それから…あの子には産まれる前から約束された婚約者がいた」
亜「……知ってるわ、んなこと」
ス「…そうか、その婚約は私が独断で決めたものだ
我が子にワスレのように愛する人が傷つく姿を見せたくなかった
だから、極力外に出さず婚約と言う名の鎖で縛り付けた」
ス「それがあの子にとって幸せになると思った
だが、それは間違いだったな
“決められた幸せ”よりも“自分で見つけだした幸せ”の方がずっと幸せになれる
私はあの子の幸せを勝手に決めつけて幾つもの間違った選択をしてしまっていた
それをお前達が教えてくれた
帰ってきた我が子をみて思ったんだ
私の子供はこんなに希望に満ち溢れた顔をしていたかと
お前達と旅に出てあの子は表情が変わった
礼を言う、ありがとう」
そう言った彼の顔は清々しく、晴れやかだった
亜「…俺たちもハナと出逢って色んな事を教えてもらった」
瑠「…話すことの楽しさとか…思いやりの暖かさとか…ぎゅってした時の温もりとか…知らなかったこと、いっぱい」
亜「だから、礼を言いたいのはこっちの方だ
ハナを産んでくれてありがとう」
瑠「…産んだのは…ワスレさんだと思う…」
亜「…あ、じゃ何て言えばいいんだ?
ハナを作ってくれてありがとう?
…なんか生々しいな」
瑠「…二人が出逢わなかったらハナは産まれてこなかったから……出逢ってくれてありがとう?」
亜「んなら、二人が存在してなきゃハナも産まれてこなかっただろ?だから…産まれてきてくれてありがとう?」
瑠「そしたら…ハナのご先祖様全員にありがとうしなきゃ」
ス「……ふっ」
亜 瑠「!」
笑った彼の顔はハナの笑顔にとても似ていた